犬の「アジソン病(副腎皮質機能低下症)」をご存じですか?
あまり聞き慣れない病気かもしれませんが、放っておくと命に関わることもある注意すべき病気です。
今回は、アジソン病の症状や原因、治療法・予防法まで、分かりやすく解説します🐾
もし愛犬が「最近元気がないな…」と感じたら、ぜひ参考にしてくださいね。
⚠️ アジソン病ってどんな病気?
アジソン病とは、副腎(ふくじん)という小さな臓器がきちんと働かなくなり、「副腎皮質ホルモン」が足りなくなる病気です。
これは体のさまざまな機能に影響し、特にストレスに対する抵抗力が下がるため、急に体調が悪くなることもあります。
副腎がホルモンを分泌しなくなる原因には、以下のようなものがあります。
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免疫の異常による副腎の破壊
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腫瘍や薬の副作用による障害
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長期間ステロイドを使っていた場合の中止(医原性)
🐶 こんな症状が見られたら要注意!
アジソン病の症状は、「慢性型」と「急性型」で異なります。
🐾 慢性型(じわじわ進行)
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食欲がなくなる
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元気がない、疲れやすい
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吐き気や下痢が続く
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痩せてくる(体重減少)
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水をたくさん飲む
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おしっこの量が増える
これらの症状は一時的に良くなることもあり、見過ごされがちです。
🚨 急性型(突然悪化)
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急に倒れる、ぐったりする
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ふらつく
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ショック状態になる
特にストレスや環境の変化がきっかけになることが多く、命の危険もあるため早急な対応が必要です。
🧬 発症しやすい犬種は?
アジソン病はどの犬でもかかる可能性がありますが、以下の犬種で多く見られます。
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ビーグル
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スタンダード・プードル
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コリー
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グレート・デーン
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ロットワイラー
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ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア など
特に若い〜中年のメス犬(平均4歳ごろ)に多く発症します。
💊 治療法は?一生続けるの?
アジソン病の治療は、症状のタイプによって異なります。
🚑 急性症状の場合
ショック状態を改善するため、緊急治療が必要です。
点滴などで電解質のバランスを整え、命を守ることが最優先となります。
💉 慢性型や回復後の治療
不足しているホルモンを補う「ホルモン補充療法」を続けます。
基本的には生涯にわたる治療となりますが、医原性の場合は自分でホルモンを作れるようになれば、投薬が不要になるケースもあります。
🛡️ アジソン病の予防方法はあるの?
残念ながら、アジソン病自体を完全に予防する方法はありません。
ですが、次のことを意識することで、早期発見や悪化を防ぐことができます。
✅ 予防・対策のポイント
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元気がない、食欲がないなどの変化に気づいたらすぐ受診
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定期的な健康チェックを受ける
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慢性の不調が続く場合は、ホルモンの病気も視野に入れて相談
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以前ステロイドを使っていた子は、急にやめないよう注意
📝 まとめ:小さなサインを見逃さないで
アジソン病は見逃しやすい病気ですが、放置すると命に関わることもあります。
「ちょっと元気がないな」「いつもと様子が違う」と思ったら、早めに動物病院で相談してみてくださいね🏥
愛犬の健康を守るためには、飼い主さんの気づきと早めの行動がなにより大切です✨
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