犬の「ブルセラ症」はあまり聞きなれないかもしれませんが、実は繁殖に大きな影響を与える病気であり、人にも感染する可能性がある点で注意が必要です。この記事では、ブルセラ症の症状や感染経路、治療法や予防策まで、わかりやすくご紹介します。
🦠 ブルセラ症ってどんな病気?
ブルセラ症(ブルセラ病)は「ブルセラ菌(Brucella canis)」という細菌によって引き起こされる感染症です。
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♂♂♀♀ どちらの性別の犬でも感染する
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❌ 繁殖に問題が起こる(不妊・流産など)
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⚠️ ズーノーシス(人獣共通感染症)として、人にもうつることがある
ただし、命に関わるような重篤な症状はまれです。
⚠️ 主な症状と特徴
ブルセラ症にかかっても、見た目には元気そうな犬もいますが、繁殖に関わる深刻な症状が見られることがあります。
♂ オスに見られる症状
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精巣(睾丸)が腫れる → 時間が経つと小さくなる
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精子の質が低下する、無精子症になることも
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結果として「不妊」になる可能性あり
♀ メスに見られる症状
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妊娠40〜50日目ごろに「流産」や「死産」が起きる
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一度かかると、その後も不妊や流産をくり返すケースがある
🧬 感染経路はどうなってるの?
ブルセラ症は、感染した犬との接触によってうつります。特に以下のようなケースが多いです。
🐶 犬同士の感染経路
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感染犬の尿や子宮分泌物に触れる(口・鼻を近づける)
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流産胎子やそのまわりの分泌物に接触
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交尾による感染
🏠 感染が起きやすい場所
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ブリーダー施設
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ペットホテルや多頭飼育の家庭
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不特定多数の犬が集まる環境
💊 治療方法はあるの?
ブルセラ症は抗生物質による治療が行われますが、完治が難しいケースもあるため注意が必要です。
主な治療法
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🩺 テトラサイクリン系などの抗生物質を2〜4週間投与
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再発する可能性もあるため、治療後の経過観察が大切
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他の犬や人への感染を防ぐため、避妊・去勢を検討する
多頭飼育やブリーダーの場合は、感染犬を他の犬からしっかり隔離して治療を行いましょう。
🚫 予防のポイント
残念ながら、ブルセラ症には現在ワクチンがありません。そのため、日頃の予防と環境管理がとても重要です。
✅ できる予防対策
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飼育環境をつねに清潔に保つ
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犬が流産した場合、分泌物や胎子に他の犬や人が触れないよう注意
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多頭飼育の家庭や施設では、定期的な健康チェックを行う
👩⚕️ 人への感染についても知っておこう
ブルセラ症は、人にも感染する「人獣共通感染症(ズーノーシス)」です。
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🧍♂️ 感染すると、風邪のような症状(発熱、倦怠感など)が出ることがある
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人から人への感染は確認されていません
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感染リスクを避けるためには、排泄物や分泌物を扱うときは手袋・マスクの着用が効果的
🔍 まとめ|早期発見&衛生管理で安心を
犬のブルセラ症は、命にかかわるほどの重病ではないものの、不妊や流産を引き起こすやっかいな病気です。また、人にも感染する可能性があるため、油断は禁物。
🔸「いつもと違うな」と感じたら、早めに動物病院へ
🔸 定期的な健康チェックと衛生管理を徹底しましょう
大切なワンちゃんと、安心して暮らせるように、正しい知識でしっかり予防していきましょう🐾
さらに参照してください:犬の免疫介在性溶血性貧血(IMHA)とは?原因・症状・治療法をやさしく解説