先天性の心臓病のひとつ「心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)」。
聞き慣れない名前かもしれませんが、犬の健康を守るうえで知っておきたい病気のひとつです。
この記事では、犬の心室中隔欠損症について、飼い主さんにも分かりやすく、丁寧に解説していきます🐾
🫀 心室中隔欠損症ってどんな病気?
心室中隔欠損症とは、心臓の左右の心室を隔てる壁(=中隔)に穴が開いている状態のこと。
この穴のせいで、本来なら別々に流れるはずの血液が混ざってしまい、心臓や肺に負担がかかってしまいます。
特に、左心室から右心室へと血液が流れ込むことで、肺に余計な血液が流れ込み、肺水腫などを引き起こすリスクもあります⚠️
📋 主な症状は?
欠損の大きさによって症状の出方は異なりますが、以下のようなサインが見られることがあります。
🐶 よくある症状
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✅ すぐに疲れる、元気がない
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✅ 呼吸が苦しそう(荒い息づかい)
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✅ 咳が出る
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✅ 食欲が落ちる
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✅ やせてくる(体重減少)
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✅ 発育が遅れる(子犬の場合)
➡️ 欠損孔が小さい場合は、ほとんど症状が出ないこともあります。
でも油断は禁物。成長や加齢に伴って症状が出ることもあるので、注意して観察してあげましょう。
🧬 なぜ起こるの?【原因】
この病気は先天性、つまり生まれつきの異常です。
胎児のときに発達するはずの心臓の壁(中隔)が、完全に閉じずに穴が空いたままになってしまうことで発症します。
🐕 よく見られる犬種
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柴犬
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イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
などで比較的多く報告されています。
🏥 治療方法は?
🩺 軽度の場合
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欠損孔が小さく、症状が出ていない場合は、治療せず経過観察をすることが一般的です。
🛠️ 欠損孔が大きい場合
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外科手術で欠損孔をふさぐ治療が行われます。
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早期に手術すれば、健康な犬と変わらない生活ができる可能性が高いです。
💊 すでに心不全の症状がある場合
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内科的治療として、以下のような薬を使うことがあります:
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血管拡張剤
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強心薬
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利尿剤
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⚠️ ただし、薬による治療は進行を抑えるもので、根本的な治療ではありません。
※ごくまれに自然に穴が閉じるケースもありますが、これはあまり期待できません。
🔍 予防はできるの?
残念ながら、心室中隔欠損症は予防できません。
先天的なものなので、早期発見・早期治療が何よりも大切です❗
🐾 飼い主さんができること
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定期的な健康診断(特に子犬期)を受けさせる
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少しでも異変を感じたらすぐに動物病院へ
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咳や疲れやすさなど、小さな変化も見逃さない
📝 まとめ
犬の心室中隔欠損症は、生まれつきの心臓の壁の異常からくる病気です。
症状が出ないこともありますが、放置すると命に関わることもある重大な病気です。
さらに参照してください:
犬の拡張型心筋症とは?症状・原因・治療法をわかりやすく解説!