犬の病気のなかでも特に注意が必要な「拡張型心筋症」。大切な家族の一員である愛犬が、ある日突然ぐったりしたり、咳をしたり…そんな変化を見逃してはいけません。今回は、拡張型心筋症とはどんな病気か、症状や原因、治療・予防のポイントまで、飼い主さんに寄り添ってわかりやすく解説します。
🫀 拡張型心筋症ってどんな病気?
拡張型心筋症(かくちょうがたしんきんしょう)は、心臓を動かす筋肉「心筋」が弱くなり、心臓のポンプ機能が低下してしまう病気です。
心室という部屋が拡張(ふくらむ)することで、うまく血液を全身に送り出せなくなります。血液の流れが悪くなると、肺や他の臓器にも影響が出てしまうのです。
🐶 犬でよく見られるタイプは?
心筋症にはいくつか種類がありますが、**犬では「拡張型心筋症」**が圧倒的に多く見られます。
⚠️ 主な症状はこんなサイン
病気が進行するまで目立った症状が出ないことも多いのが、この病気の怖いところ。以下のような症状が見られたら、要注意です。
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咳をする
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呼吸が荒くなる(息苦しそう)
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お腹が膨れてくる(腹水)
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元気がない、すぐ疲れる
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フラついたり、倒れる
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意識を失う(失神)
💬**「最近、寝てばかりいるな」「咳が続いてるな」**と感じたら、早めの受診が大切です。
🧬 拡張型心筋症の原因とは?
🐾 原因はハッキリしないことが多い
拡張型心筋症の多くは**「特発性」**、つまり原因がはっきりしていないタイプです。生まれつきの体質や加齢が関係していると考えられています。
📌 この犬種は要注意!
以下のような中~大型犬種は、拡張型心筋症になりやすいとされています。
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ドーベルマン
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グレート・デーン
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ボクサー
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ダルメシアン
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アメリカン・コッカー・スパニエル
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ピンシャー
年齢とともにリスクが高くなるため、7歳以上の大型犬は特に注意が必要です。
💊 治療法と管理のポイント
🏥 薬による治療が中心
拡張型心筋症は、完治が難しい進行性の病気ですが、治療で症状を軽くし、生活の質を保つことができます。
主な治療法:
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利尿剤:体にたまった水分を排出する
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強心剤:心臓の動きをサポートする
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血管拡張剤:血流をスムーズにする
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抗不整脈薬:心拍の乱れを整える
🍖 食事とサプリメントもサポートに
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塩分を控えた食事で心臓への負担を軽減
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タウリンやL-カルニチンなどの栄養素を補うと、心機能のサポートになります
📌治療は一度で終わるものではなく、継続的な管理が重要です。
🩺 予防できる?早期発見がカギ!
残念ながら、拡張型心筋症を完全に予防する方法はありません。しかし、以下のような対応で、早期に見つけることができます。
✅ 飼い主ができること
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年に1〜2回は健康診断を受ける
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咳や呼吸の変化を見逃さない
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疲れやすさ、元気の有無を観察する
🐕大型犬を飼っている方や、リスクの高い犬種を飼っている方は、定期的な心臓のチェックを習慣にしましょう。
📚 まとめ|拡張型心筋症と向き合うには
拡張型心筋症は、見た目では気づきにくく、進行も早い病気です。でも、早めに気づいて治療を始めれば、愛犬の生活の質を保ち、命を守ることもできます。
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