狂犬病は、犬だけでなく人にも感染するとても危険なウイルス感染症です。発症するとほぼ100%の確率で命を落としてしまうため、予防がとても大切です。
この記事では、犬の狂犬病について、症状や原因、治療法、そして飼い主さんができる予防策までわかりやすく解説します。
⚠️ 狂犬病ってどんな病気?
狂犬病は「狂犬病ウイルス」によって起こる感染症で、人を含むすべての哺乳類に感染する恐れがあります(人獣共通感染症と呼ばれます)。
感染した犬は、やがて凶暴化して何にでも噛みつくようになり、そこからウイルスが広がっていきます。
一度発症してしまうと、犬も人も助かる見込みはほとんどありません。
🐕 狂犬病の主な症状とは?
狂犬病の症状は、いくつかの段階を経て進行していきます。初期は性格の変化から始まり、やがて凶暴化し、最終的には麻痺して命を落とすという非常に恐ろしい経過をたどります。
🌀 症状の進行ステップ
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前駆期(初期)
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発熱、よだれが増える
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食欲がなくなる
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普段と違う行動をとる(暗い場所に隠れる、性格が変わる)
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狂躁期(興奮期)
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異常に興奮し、吠える・噛みつくなどの攻撃的な行動
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異物(小石や木の枝など)を食べようとする
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見境なく噛みつく(人や物など)
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麻痺期(末期)
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体がうまく動かせなくなる(運動失調)
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嚥下困難(食べ物が飲み込めない)
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昏睡状態となり、数日で死亡
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📌 特に「狂躁期」では、犬の攻撃性が非常に高まり、咬傷による感染拡大が起こりやすくなります。
🔍 感染の原因は「咬まれること」
狂犬病ウイルスは、感染した動物の唾液に含まれています。そのため、ウイルスを持つ動物に咬まれることで感染します。
ウイルスは体内に入ると、神経を通じて脳や脊髄へ広がり、最終的に重度の神経障害を引き起こします。
🚫 発症したら治療はできない
残念ながら、狂犬病は発症してしまったら治療法がありません。
発症が確認された場合、多くの国では安楽死という判断が下されることが一般的です。これは、狂犬病が非常に危険で感染力が強いため、公衆衛生上の観点からも避けられない措置となっています。
🐾 万が一、感染が疑われる動物に愛犬が咬まれた場合は…
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すぐに動物病院に連れて行く
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狂犬病ワクチンを再接種
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獣医師の指示のもと、経過観察を受ける
⚠️ ワクチン未接種の場合は、感染リスクが高いため、安楽死が勧められることもあります。
✅ 予防のカギはワクチン接種!
狂犬病から愛犬を守るためには、年に1回のワクチン接種がとても重要です。
日本では「狂犬病予防法」により、生後3カ月以上の犬には年1回の予防接種が義務づけられています。
🗓 予防接種のポイント
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生後3カ月を過ぎたら、すぐに接種を
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1年ごとに動物病院で追加接種を受ける
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登録・注射済票の管理も忘れずに!
🌏 日本でも油断は禁物!
「日本では狂犬病は見かけないから大丈夫」と思っていませんか?
実は、日本は数少ない「狂犬病の清浄国」ですが、海外から持ち込まれる可能性は常にあります。
✈️ 海外では今も狂犬病が広がっている地域があります
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アジア(中国、フィリピン、タイなど)
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アフリカ
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一部のヨーロッパや中南米
2006年には、フィリピン滞在中に犬に咬まれた日本人男性が、帰国後に発症して亡くなるという悲しい事例もありました。
📝 まとめ:愛犬を守るためにできること
狂犬病は、発症したら治らない、命に関わる病気です。だからこそ、事前の予防がすべて。
✅ 飼い主さんにできる対策
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🐶 年1回のワクチン接種を忘れずに
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🛑 海外での動物との接触には注意
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🐕 愛犬に異変があったら、すぐに動物病院へ
日本の清浄な環境を守るためにも、そして何より愛犬の命を守るためにも、毎年のワクチン接種をしっかりと行いましょう!
さらに参照してください:犬の口内炎とは?原因・症状・ケア方法をやさしく解説!