犬が下痢をしたとき、原因のひとつとして考えられるのが「糞線虫症(ふんせんちゅうしょう)」という寄生虫による病気です。特に子犬の場合、命に関わることもあるため注意が必要です。
この記事では、糞線虫症の症状や感染経路、治療法、そして予防のポイントまで、わかりやすく紹介します。
🦠 糞線虫症ってどんな病気?
糞線虫症は、糞線虫(ふんせんちゅう)という2mmほどの小さな寄生虫が犬の小腸に入り込み、体に様々な影響を与える病気です。
感染は、犬がたくさん集まるブリーダーの犬舎やドッグランなどで起こりやすく、特に体力の弱い子犬に多く見られます。
⚠️ 糞線虫症の主な症状は?
糞線虫症にかかると、犬の年齢や体力によって症状の出方が異なります。
🐶 成犬の場合
- 水のような下痢
- 目立った症状が出ないことも
🐕🦺 子犬の場合(特に注意!)
- 激しい下痢
- 食欲がない、元気がない
- 体重が減る、発育が遅れる
- 生後まもない場合は、急性の腸炎を起こして命に関わることもあります
さらに、皮膚から感染した場合には、
- 赤みやかゆみをともなう皮膚炎
- 咳などの呼吸器症状
が見られることもあります。
🧬 感染の原因は?どうやってうつるの?
糞線虫症の感染経路は、主に次の3つです。
① 経口感染(けいこうかんせん)🍽️
感染した犬のフンに含まれる糞線虫の幼虫を、口に入れてしまうことで感染します。
例:外で拾い食いをしたとき など
② 経皮感染(けいひかんせん)👣
皮膚に触れた幼虫が皮膚を突き破って感染します。
草むらや土のある場所で感染することがあります。
③ 経乳感染(けいにゅうかんせん)🍼
母犬からの授乳を通じて、子犬に感染するケースもあります。
新生児や子犬では、特に重い症状が出やすくなります。
💊 治療法はあるの?何をすればいい?
治療には、**駆虫薬(くちゅうやく)**を使います。主に以下のような薬が使用されます。
- イベルメクチンなどの線虫駆除薬
ただし、1回の投薬で完全に駆除できない場合もあるため、数回にわけて薬を使うことがあります。
✅ 治療中のポイント
- 定期的に便の検査を受けることが大切
- 再発防止のため、獣医師の指示に従って再投薬することもあります
🛡️ 糞線虫症を防ぐためにできること
糞線虫症は、正しい予防と日常のケアで防げる病気です。
🚶♂️ 散歩や外出時の注意
- フンを見つけたらすぐに回収して清潔を保つ
- 草むらなど感染のリスクがある場所はできるだけ避ける
🏥 健康管理
- 定期的に便の検査を動物病院で受ける
- 獣医師と相談して、必要に応じて予防的に駆虫薬を使う
🧤 人にも感染するってホント?(ズーノーシス)
はい、本当です。糞線虫症は人にも感染する可能性がある病気(ズーノーシス)です。
飼い主さんが気をつけたいのは以下の点です:
- 犬のフンには素手で触れない
- フンを処理したあとは必ず手を洗う
- 小さなお子さんがいる家庭では特に注意を
📝 まとめ|愛犬を守るために今できること
糞線虫症は、身近な寄生虫による病気ですが、早期発見と予防が何よりも大切です。
特に子犬や体力のない犬では、重症化するリスクが高いため、日ごろの健康チェックを欠かさないようにしましょう。
- 下痢や体重減少が見られたら、すぐに動物病院へ
- 散歩中は拾い食いさせないように注意
- 定期的な検査と、必要に応じた駆虫で予防を!
愛犬の健やかな毎日のために、寄生虫からしっかり守ってあげましょう🐾
さらに参照してください:犬の鞭虫症とは?症状・感染経路・予防法を徹底解説!