糸球体腎炎は、犬の腎臓にある「糸球体」という部分が炎症を起こす病気です。この部分は、腎臓内で血液をろ過する重要な役割を担っているため、炎症が起きると腎機能に影響を及ぼします。ここでは、糸球体腎炎の症状や原因、治療法について詳しく解説します。
⚠️ 糸球体腎炎の主な症状
糸球体腎炎の症状は、犬によって異なりますが、特に特徴的なものはタンパク尿です。この症状が続くと、以下のような症状が現れることがあります。
- おしっこの量が増える(多尿)
- おしっこの量が減る(乏尿)
- むくみ(体が膨らむ)
- 体重が減る
- 元気がなくなる、疲れやすくなる
- 嘔吐
- 脱水症状
- 食欲不振
また、糸球体腎炎が進行すると、高血圧が原因で眼底出血や網膜剥離が起こり、最終的には失明に繋がることもあります。重度のケースでは、血液の凝固異常が起こり、血栓塞栓症を引き起こすこともあります。
🐾 糸球体腎炎の原因
糸球体腎炎の正確な原因はまだ解明されていませんが、免疫系が関わっている可能性があります。特に以下の病気が関連していると考えられています。
- フィラリア症(犬糸状虫症)
- ライム病
- 子宮蓄膿症
- 犬伝染性肝炎
- リンパ球性白血病
- 膵炎
- クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
また、特定の犬種においては遺伝的要因もあるとされています。例えば、サモエドやイングリッシュ・コッカー・スパニエル、ブルテリアなどの犬種では、遺伝的な要素が関係していると考えられています。
🏥 糸球体腎炎の治療法
糸球体腎炎の治療は、原因となる病気の治療と腎不全の治療を並行して行うことが重要です。治療方法としては以下のようなものがあります。
- 原因疾患の治療: フィラリア症やライム病など、発症に関与している病気の治療を行います。
- 腎不全の治療: 腎不全が進行している場合、点滴や薬物療法で腎機能をサポートします。
- 高血圧の治療: 糸球体腎炎による高血圧をコントロールします。
- 血栓塞栓症の治療: 血栓ができている場合、血栓治療を行います。
治療の進行状況によっては、さらに詳しい検査や治療が必要になることもあります。
✅ 糸球体腎炎の予防法
糸球体腎炎の発症を完全に防ぐ方法は確立されていませんが、以下のような予防対策が有効です。
- 定期的な健康チェック: 特に免疫が関与している可能性のある病気を早期に発見し、予防することが重要です。
- 適切な食事管理: 愛犬に合ったバランスの取れた食事を与え、腎臓への負担を軽減します。
- 運動管理: 愛犬の体調に合わせた適度な運動を行い、ストレスを減らします。
- ストレスの管理: 愛犬がリラックスして過ごせる環境を整えることも、健康維持に繋がります。
糸球体腎炎が進行する前に、早期の発見と治療を心がけましょう。
🐶 まとめ
糸球体腎炎は犬の腎臓に炎症を引き起こし、腎機能に影響を与える病気です。早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。愛犬の健康を守るために、定期的な健康チェックや適切な生活習慣を心がけましょう。もし気になる症状が見られたら、早めに獣医師に相談することをお勧めします。
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