犬の肥満細胞腫とは?症状・原因・治療法まで獣医がわかりやすく解説!

皮膚にできた「しこり」、気になっていませんか?
もしかすると、それは「肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)」かもしれません。

🐕この記事では、犬に多い皮膚の腫瘍「肥満細胞腫」について、原因・症状・治療法までをやさしく解説します。早期発見のポイントや、飼い主さんが気をつけるべきサインもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

🔍 肥満細胞腫ってどんな病気?

肥満細胞腫とは、「肥満細胞」という免疫細胞が腫瘍化する病気です。
肥満細胞は体に異物が入ったとき、ヒスタミンなどの物質を出してアレルギー反応を起こす役割がありますが、これが異常に増えて「腫瘍」になってしまうのです。

📍犬では特に皮膚に多く見られますが、まれに内臓にできることも。良性のものから悪性(がん)まであり、悪性度が高いとリンパ節や肝臓、脾臓などに転移することもあります。

⚠️ 肥満細胞腫の主な症状

見た目や場所によって症状が異なるのが肥満細胞腫の特徴です。

🩺 よく見られるサイン

  • 皮膚にできたしこりはれ

  • 毛が抜ける

  • 赤くただれる・潰瘍ができる

  • 吐き気(嘔吐)や下痢

  • 皮膚炎のような腫れ

  • 出血かさぶた

しこりは1〜4cmほどの弾力のある腫瘍で、表面に毛がない場合が多いです。悪性度が高い場合、潰瘍や出血、自傷による傷も見られます。

🚨 進行すると…

腫瘍が全身に広がると、血の混じった嘔吐や下痢、食欲不振、ショック症状などが起こることも。重症化すれば、命に関わるケースもあります。

🐾 なぜ起きるの?肥満細胞腫の原因

原因ははっきりしていませんが、次のような要因が関係していると考えられています:

  • 🧬 犬種による遺伝的素因(例:ラブラドール・レトリーバー、ボクサーなど)

  • 🔥 慢性的な炎症

  • 🐶 発症しやすい年齢:平均で9歳前後ですが、若い犬にも見られることがあります

 

🧪 診断方法は?

見た目だけでは脂肪腫など他の腫瘍と区別がつかないため、動物病院での**細胞診(しこりから細胞を採取して検査)**が必要です。

必要に応じて、血液検査・超音波・X線検査で転移の有無も確認します。

💉 治療法はどうするの?

腫瘍のタイプや進行度に応じて、次のような治療が行われます。

🩹 外科手術(第一選択)

  • 腫瘍の境界がはっきりしている場合は、外科的にしこりを切除します。

  • 早期であれば完治も可能です。

 

💊 化学療法

  • 手術が難しい場合や、すでに転移している場合は抗がん剤による治療を行います。

 

🔦 放射線治療

  • 場所によって手術が困難なケースで検討されます。

✅ 予防と早期発見のポイント

残念ながら、肥満細胞腫は明確な予防法がありません
そのため、早期発見・早期治療がカギになります。

👀 チェックポイント

  • 毎日のスキンシップでしこりや異常がないか確認

  • できものを見つけたら、自己判断せずすぐに動物病院へ

 

📘 まとめ:気になるしこりはすぐに相談を!

肥満細胞腫は、見た目だけで判断が難しい腫瘍です。
進行が早いケースもあるため、「ただの脂肪のかたまりかな?」と思って放置せず、早めに動物病院で診てもらうことが大切です。

さらに参照してください:

犬の肛門周囲腺腫とは?原因・症状・治療・予防法までやさしく解説!

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