犬も人間と同じように、年齢を重ねるとさまざまな病気にかかりやすくなります。その中でも注意したいのが「腎不全(じんふぜん)」です。
腎不全は早期に気づくことが大切で、進行すると命に関わることもあります。この記事では、犬の腎不全について、症状・原因・治療法・予防のポイントまで、わかりやすくご紹介します。
🧠 腎不全ってどんな病気?
腎不全とは、腎臓の働きが弱くなり、体の中の老廃物をうまく排出できなくなってしまう病気です。水分や電解質のバランスも崩れ、体調にさまざまな不調があらわれます。
腎不全には2つのタイプがあります:
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急性腎不全:突然、腎臓の機能が低下するタイプ。数時間〜数日のうちに急激に悪化することも。
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慢性腎不全:時間をかけてじわじわ進行するタイプ。初期はほとんど症状が出ないため、気づきにくいのが特徴です。
⚠️ 主な症状とは?
腎不全の症状は、急性と慢性で少しずつ違います。
🔥 急性腎不全の主な症状
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尿が出にくくなる、または出なくなる
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食欲がなくなる
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吐き気・嘔吐
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元気がなくなる(ぐったり)
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数時間〜数日で急激に悪化することも
重症化すると「尿毒症(にょうどくしょう)」や「高カリウム血症」といった命に関わる症状を引き起こすことがあります。
🐾 慢性腎不全の主な症状
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水をたくさん飲む(多飲)
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おしっこの量が増える(多尿)
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体重が減る
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食欲不振
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嘔吐や下痢
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貧血
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進行すると、痙攣(けいれん)や昏睡(こんすい)などの神経症状も…
初期にはほとんど気づけないことも多いですが、「お水をよく飲む」「尿の量が増えた」といったサインが出てきたら要注意です。
🧬 腎不全の原因とは?
腎不全の原因はさまざまで、急性と慢性で少し異なります。
⚡ 急性腎不全の主な原因
急に起こる腎不全は、以下の3つのタイプに分けられます。
💧 腎前性
心臓の病気や脱水で、腎臓に十分な血液が届かなくなることで起こります。
🧪 腎性
腎臓そのものに炎症や障害が起こるタイプ。感染症や毒物などが原因になることもあります。
🚫 腎後性
尿が出る道(尿路)が詰まったり、ケガなどで損傷したときに起こります。膀胱や尿道の結石、腫瘍などが原因になることも。
🧱 慢性腎不全の原因
長期間かけて腎臓の機能が少しずつ失われていきます。主な原因は以下の通り:
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糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)
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腎盂腎炎(じんうじんえん)
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アミロイドーシス(たんぱく質が異常に蓄積する病気)
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過去の急性腎不全が悪化して移行するケースもあります
🏥 治療法は?どう対応すればいいの?
🚑 急性腎不全の治療
急性の場合は、とにかく早めの対応が命を守るカギです!
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原因となっている病気(心疾患や尿路閉塞など)の治療
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点滴で水分と電解質の補給
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必要に応じて透析治療
早期に治療すれば回復の可能性もありますが、対応が遅れると慢性腎不全に進行することもあるため注意が必要です。
🧘♀️ 慢性腎不全の治療
慢性の場合は、腎機能を元に戻すことはできません。
そのため「進行をゆるやかにし、できるだけ快適に過ごす」ことが目標になります。
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たんぱく質や塩分を控えた食事療法
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点滴や水分補給で老廃物を流す
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貧血対策のための造血ホルモン剤などの投与
🛡️ 腎不全を予防するには?
腎不全は完全には防げませんが、日ごろのケアでリスクを大きく減らすことができます。
✅ 予防のポイント
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栄養バランスの良い食事を与える
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たんぱく質や塩分の量を適切にコントロール
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排尿の量・回数に注意する(普段との変化をチェック!)
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中高齢の犬は、定期的な健康診断を受ける習慣を
🐶 まとめ:愛犬の健康を守るためにできること
腎不全は、早く気づくことで進行を抑えることができます。
「なんとなく元気がない」「おしっこの様子が変わった」と感じたら、すぐに動物病院で相談してみましょう。
愛犬の小さな変化に気づくことが、健康で長生きするための第一歩です。日頃からの観察とケアを大切にしてくださいね。✨
さらに参照してください:犬の糸球体腎炎ってどんな病気?症状・原因・予防法までやさしく解説!