年齢を重ねた愛犬が「たくさん水を飲む」「最近やせてきた」「毛が抜ける」といった変化が見られたら、それは「クッシング症候群（副腎皮質機能亢進症）」のサインかもしれません。
この記事では、クッシング症候群の特徴や症状、治療法、予防のヒントまで、わかりやすく解説します。
🩺 クッシング症候群ってどんな病気？
クッシング症候群は、副腎（ふくじん）という臓器から分泌される「副腎皮質ホルモン（コルチゾール）」が必要以上に多くなることで、全身にさまざまな不調が現れる病気です。
特にシニア犬（6歳以上）に多く見られますが、若い犬でも発症することがあります。
⚠️ こんな症状に注意！クッシング症候群のサイン
「たくさん食べるのにやせてきた…」そんな変化が続くときは要注意。クッシング症候群の代表的な症状には以下のようなものがあります：
-
🐕 水をよく飲む（多飲）
-
🚽 おしっこの量が増える（多尿）
-
🍽 食欲が増えるのにやせていく
-
🐾 毛が薄くなる、左右対称に抜ける
-
💤 元気がなく、よく眠る
-
📉 筋肉が落ちてお腹がぽっこり出てくる
-
🩹 皮膚が薄くなり、脂っぽくなる
-
💢 発情が止まる（避妊していない雌の場合）
さらに病気が進むと、免疫力が低下して「皮膚炎」「膀胱炎」などの感染症にもかかりやすくなります。また、糖尿病を併発するケースもあり、放っておくと命に関わることも。
🐶 発症しやすい犬種は？
クッシング症候群はどんな犬でもかかる可能性がありますが、特に以下の犬種はリスクが高いとされています：
-
ダックスフンド
-
トイ・プードル
-
ポメラニアン
-
ボストン・テリア
-
ボクサー
「うちの子も当てはまるかも…」と思ったら、症状がないか日ごろからチェックしてみてくださいね。
🧬 クッシング症候群の原因は？
原因は大きく3つに分けられます：
🧠 ① 脳下垂体の異常（最も多いタイプ）
脳の一部である「脳下垂体」に腫瘍や過形成（細胞の増加）が起こると、副腎が刺激されてホルモンが過剰に作られます。
🧿 ② 副腎そのものの腫瘍
副腎に腫瘍ができて、ホルモンが大量に分泌されるパターン。
💊 ③ ステロイド薬の副作用（医原性）
アトピー性皮膚炎や免疫疾患でステロイド薬を長期間使用していた犬に起こることがあります。突然薬を止めることが原因となるため、自己判断で投薬を中止しないことが重要です！
💊 クッシング症候群の治療法
治療法は犬の状態や原因によって異なりますが、主に以下の方法があります：
-
💊 薬による治療：副腎皮質ホルモンの分泌をコントロールする薬を使います。多くのケースでまず選ばれる方法です。
-
🏥 外科手術：副腎や脳下垂体に腫瘍がある場合は、外科的に摘出を検討します。
-
🔬 放射線治療：脳下垂体の腫瘍が原因で手術が難しい場合に選ばれます。
治療は一生続くこともあるため、獣医師との信頼関係がとても大切です。
🔍 予防方法はあるの？
残念ながら、クッシング症候群を完全に予防する方法はありません。でも、早期発見・早期治療で症状の進行を防ぐことはできます。
✅ 飼い主ができること：
-
日常のちょっとした変化を見逃さない
-
水の飲む量やおしっこの回数を観察する
-
食欲や体重の変化に気づいたら早めに受診する
-
ステロイド薬を使用している場合は、必ず獣医師の指示に従う
📝 まとめ：愛犬の「ちょっとした変化」が大切なサイン
クッシング症候群は命に直結することは少ないものの、慢性的な不調や合併症を引き起こす厄介な病気です。
さらに参照してください：
