シニア期に入った愛犬が「ぼんやりしている」「夜に鳴き続ける」などの様子を見せたら、もしかすると**犬の認知症(認知機能障害)**かもしれません。
高齢化が進むなか、犬の認知症は珍しい病気ではなくなってきました。
この記事では、認知症のよくある症状や原因、治療法、日常でできるケア方法まで、分かりやすく解説していきます🐾
🧠 犬の認知症ってどんな病気?
犬の認知症は、人間と同じように脳の機能が少しずつ衰えていく病気です。
「認知機能障害症候群」や「痴呆」とも呼ばれ、高齢犬に多く見られます。
脳の委縮や、神経に悪影響を与える物質の沈着が進行し、記憶力や判断力、行動パターンに変化が現れるのが特徴です。
🕒 発症の平均年齢は 11歳ごろですが、早い子では 7〜8歳ごろから兆候が見られることも。
特に柴犬や日本犬のミックス犬でよく見られる傾向があります。
⚠️ こんな症状が見られたら注意!
認知症の症状は、すべてが一度に現れるわけではなく、少しずつ進行していきます。
以下のようなサインが見られたら、早めの対応が大切です。
🐾 主な初期症状
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名前を呼んでも反応しない
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ぼーっとしている時間が増える
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トイレの失敗が多くなる
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食欲があるのに体重が減る
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昼夜が逆転(夜中に起きて鳴く)
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家の中をウロウロ徘徊する
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狭い場所や部屋の隅から出られない
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前に進めても後ろに下がれない
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円を描くように歩き続ける(旋回運動)
🎙️ 夜中に「ウォーン…」と異様な声で鳴くこともあります。これが毎晩続くと、飼い主さんの睡眠にも大きな影響が…。
🔍 原因は老化だけじゃない?
犬の認知症の主な原因は、加齢による脳の変化です。
具体的には…
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脳の委縮(ちぢみ)
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脳内にたまる有害な物質(アミロイドなど)
ただし、遺伝的な要因や生活環境、ストレスの影響も関係している可能性があり、詳しい原因はまだすべては解明されていません。
💊 治療・ケア方法はあるの?
認知症は完全に治すことは難しいですが、進行をゆるやかにするケアは可能です。
🥣 処方食・サプリメント
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DHAやEPAを含む高齢犬用のフード
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抗酸化作用のあるサプリメント(ビタミンEなど)
これらは脳の健康維持をサポートし、症状の進行を抑える効果が期待できます。
💊 薬物療法
獣医師による処方で、脳機能をサポートする薬を使うこともあります。
🏡 環境の工夫
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滑りにくい床や段差の少ない環境
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部屋の隅に閉じ込められないよう、レイアウトの見直し
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**エンドレスケージ(円形ケージ)**の活用もおすすめ
→ 犬が円形に歩きやすく、安心して過ごせます
🗣️ スキンシップと声かけも大切!
飼い主さんの声は、犬にとって何よりの安心材料。
たとえ反応が少なくても、できるだけ話しかけたり撫でてあげたりしましょう。
🛡️ 予防のポイントは?
認知症は予防が難しいと言われていますが、日常生活の工夫で発症を遅らせることは可能です。
✅ 予防のためにできること
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規則正しい生活リズム(朝日を浴びるのも◎)
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お散歩や遊びで適度な運動
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頭を使うトレーニング(宝探しゲームなど)
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食事内容の見直し(脳に良い栄養素を意識)
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定期的な健康チェック
早期に症状に気づくことで、進行を抑える対応がしやすくなります。
「あれ?」と思ったら、すぐに動物病院で相談してみてくださいね。
🐶 最後に:飼い主さんができるいちばんのケアとは?
認知症の犬は、不安や混乱の中で日々を過ごしています。
だからこそ、飼い主さんのやさしさと気づきが何よりの支えになります。
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