狂犬病(きょうけんびょう)という言葉、聞いたことはありますか?
「昔の病気でしょ?」と思われがちですが、実は今でも世界中で多くの命を奪っている、非常に危険なウイルス性の病気です。特に犬にとっては命に関わる恐ろしい感染症であり、人にも感染する「人獣共通感染症(ズーノーシス)」として知られています。
この記事では、犬の飼い主さんが絶対に知っておくべき「狂犬病」の基礎知識を、やさしく丁寧に解説します🐶
症状や原因、そして何より大切な予防法まで、しっかりご紹介します。
⚠️ 狂犬病ってどんな病気?
狂犬病は、狂犬病ウイルスが原因で発症する感染症です。
犬だけでなく、猫やキツネ、アライグマ、そして人間にも感染します。
💀 一度発症すると、ほぼ助からない病気
狂犬病が怖い最大の理由は、**発症後の致死率がほぼ100%という点です。現代医学でも治療法はなく、命を守るには「感染しないこと=予防」**が何より重要です。
🧠 狂犬病の主な症状は?
犬の狂犬病は、以下の3つの段階に分けて進行します:
🔹 第1段階:前駆期(ぜんくき)
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発熱
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食欲不振
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落ち着きがなくなる
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隠れたがる、飼い主を避ける
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普段と違う行動(おとなしかった犬が攻撃的になる、など)
この時期は、まだはっきりとした狂犬病とはわかりにくいのが特徴です。
🔹 第2段階:狂躁期(きょうそうき)
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異常に興奮しやすくなる
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なんでもかみつく(人・動物・物)
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無意味に吠える
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異物を食べようとする(小石・枝・糞など)
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顔つきが凶暴に変化
この状態が数日続き、やがて次の段階へ進行します。
🔹 第3段階:麻痺期(まひき)
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歩き方がおかしくなる(運動失調)
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痙攣(けいれん)
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物が飲み込めない(嚥下困難)
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意識がなくなる(昏睡)
この麻痺症状が出た後は、1~2日で命を落とすことがほとんどです。
🦠 感染の原因は?
主な感染ルートは、感染した動物にかまれることです。
狂犬病ウイルスは、発症している動物の唾液の中に多く含まれています。
その唾液がかみ傷から体内に入ることで、ウイルスが神経を伝って脳や脊髄に広がり、最終的に命に関わる症状を引き起こします。
🚑 治療法はあるの?
残念ながら、犬が狂犬病を発症してしまった後には、効果的な治療法はありません。
そのため、発症が疑われた犬には、安楽死が選ばれることもあります。
もし、あなたの愛犬が狂犬病にかかった動物にかまれた場合は、次の対応が必要です:
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すぐに動物病院へ連れて行く
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狂犬病ワクチンを再接種する
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数週間の経過観察(発症の有無を確認)
ただし、ワクチン未接種の犬の場合は、感染のリスクが高くなるため、安楽死を勧められるケースもあります。
✅ 予防がすべて!年1回のワクチン接種を
日本では現在、狂犬病の発生は確認されていませんが、海外からの動物の輸入や移動によってウイルスが持ち込まれるリスクは常に存在しています。
🐕 狂犬病予防法により、以下が義務づけられています:
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生後91日以上の犬には年1回の狂犬病ワクチン接種
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市区町村への犬の登録と注射済票の装着
愛犬の健康を守るためにも、ワクチンは必ず毎年受けさせましょう!
📝 まとめ:愛犬とあなたを守るために
狂犬病は、早期発見や治療ができない病気だからこそ、予防がすべてです。
「うちの犬は外に出ないから大丈夫」と思わず、年に1回のワクチン接種を忘れずに行いましょう。
さらに参照してください:
犬の耳ダニ感染症とは?症状・治療・予防法をやさしく解説!