「最近、うちの子が足をかばって歩いてる…」「急に骨が腫れてきた気がする」
そんなときに疑われる病気のひとつが 骨肉腫(こつにくしゅ) です。
これは犬の骨にできる 悪性腫瘍(がん) の一種で、特に大型犬やシニア犬に多く発症します。
今回は、骨肉腫の症状・原因・治療法・予防のポイントについて、獣医学に詳しい筆者がわかりやすくお伝えします。
🦴 骨肉腫ってどんな病気?
骨肉腫は、骨の内部にできるがんです。
特に四肢(前足・後ろ足)に多く発症し、急速に進行するのが特徴です。
放っておくと肺などへ転移しやすく、命に関わることもあります。
愛犬の健康を守るためには、早期発見と迅速な治療がとても大切です。
⚠️ 見逃さないで!骨肉腫の主な症状
骨肉腫を発症すると、次のような症状が現れることがあります:
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足を引きずる、かばう(跛行:はこう)
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骨が目に見えて腫れる
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足に触られるのを嫌がる
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食欲が落ちる
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元気がなくなる
❗ 特に「急に足を引きずるようになった」「骨が膨らんで見える」といった変化は要注意です。早めに動物病院での診察をおすすめします。
🐕 どんな犬がかかりやすいの?
骨肉腫は、大型犬での発症率が高い病気です。以下のような犬種は特に注意が必要です:
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ゴールデン・レトリーバー
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ラブラドール・レトリーバー
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シベリアン・ハスキー
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グレート・ピレニーズ など
また、発症の多くは7〜8歳以降の高齢犬ですが、まれに2歳前後の若い犬に発症することもあります。
📌 現時点でははっきりした原因は不明ですが、「遺伝」や「体格的な負担」などが関係していると考えられています。
🩺 骨肉腫の治療法は?
✅ 一般的な治療法
骨肉腫の治療は、外科手術+抗がん剤治療が中心になります。
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腫瘍のある足を切断する手術
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手術後に抗がん剤を投与
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状況により、骨の再建手術(骨移植)を行うことも
手術によって腫瘍を取り除いても、再発や転移のリスクは残るため、継続的なケアが必要です。
🔄 切断以外の選択肢
「足を切りたくない」という飼い主さんも多いかもしれません。その場合、放射線治療で痛みを和らげることも可能ですが、残念ながら完治を目指す治療ではありません。
🚫 骨肉腫の予防はできる?
残念ながら、骨肉腫の明確な予防法はありません。
だからこそ、以下のことがとても重要です:
🔍 早期発見のために
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歩き方に違和感がないか日々チェックする
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定期的な健康診断を受ける
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気になる症状があればすぐに病院へ
大型犬やシニア犬の飼い主さんは、特に日常の観察を丁寧にしてあげましょう。
🐾 まとめ:気になる変化があったら迷わず病院へ!
骨肉腫は命に関わる深刻な病気ですが、早めに対応することで痛みを和らげたり、余命を延ばすことも可能です。
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