犬の病気事典

年齢に関係なく注意が必要な「股関節形成不全」。特に大型犬の飼い主さんにとっては、見逃せない病気のひとつです。この記事では、犬の股関節形成不全（股関節形成異常）の症状や原因、治療・予防のポイントまでを、専門的すぎない言葉でわかりやすく解説します🐾 🦴 股関節形成不全ってどんな病気？ 犬の「股関節形成不全」は、股関節が正常に成長・形成されないことで、歩き方がおかしくなったり、痛みが出たりする病気です。特に ラブラドール・レトリーバー や ゴールデン・レトリーバー、ジャーマン・シェパード などの大型犬によく見られます。 股関節が緩かったり、骨がうまくかみ合っていないことで、関節がすり減っていき、やがて痛みや炎症を引き起こします。 ⚠️ こんな症状が見られたら注意！ 股関節形成不全の初期症状は、日常生活の中でさりげなく現れます。もし愛犬にこんな様子があれば、早めに動物病院へ相談しましょう。 主なサイン 歩き方がおかしい（腰を左右に振るような歩き方） 後ろ足を引きずる、かばう 散歩の途中で座り込む 立ち上がりがスムーズでない うさぎ跳びのように両足でジャンプ 階段の上り下りを嫌がる 元気がない、疲れやすい これらの症状は、早ければ生後4カ月ごろから現れることがあります🐶 🧬 主な原因は「遺伝」と「生活環境」 股関節形成不全は、遺伝的な要因が大きいとされています。親犬が同じ病気を持っていた場合、子犬も発症するリスクが高くなります。 でも、それだけではありません。以下のような 環境的な要因 も発症に関係してきます。 子犬期の 過度な運動 成長期の …

犬の股関節形成不全とは？症状・原因・治療法までやさしく解説！ 続きを読む

高齢犬が増える中、「最近なんだか様子がおかしいかも…？」と感じたことはありませんか？もしかすると、それは**犬の認知症（認知機能障害）**のサインかもしれません。 今回は、認知症の初期症状から治療・予防法まで、飼い主さんが知っておきたい情報をやさしく解説します。 🧠 犬の認知症ってどんな病気？ 犬の認知症（痴呆、認知障害症候群）は、脳の老化によって神経の働きが衰えることで起こる病気です。加齢にともなって発症率が高まり、11歳前後から症状が見られることが多いとされています。 特に柴犬や日本犬の雑種に多く見られ、最近では動物病院を訪れる高齢犬の相談内容でも増えてきています。 ⚠️ こんな症状に注意！認知症のサインとは？ 認知症の症状はゆっくりと進行し、最初はちょっとした変化から始まります。以下のような行動が見られたら要注意です。 🐾 よくある初期症状 呼んでも反応がない、ぼんやりしている 昼夜が逆転し、夜中に吠える（夜鳴き） 部屋の隅で立ち尽くす、出られなくなる 円を描くように同じ場所をぐるぐる歩く（旋回運動） トイレの失敗が増える（排泄のコントロール低下） ふらふらと徘徊する 前に進めても後ろに下がれない 食欲はあるのに体重が減る 🐕「いつもと違うかも…？」と思ったら、早めに獣医師に相談しましょう。 🔍 原因は？なぜ認知症になるの？ 主な原因は以下の通りです： 脳の老化による委縮（脳が小さくなる） 神経に有害な物質の蓄積（アミロイドβなど） 遺伝的な影響も可能性あり ただし、はっきりとした原因が解明されていない部分も多く、現在も研究が続けられています。 💊 治療法はあるの？ 認知症は完治が難しい病気ですが、進行を遅らせたり、症状をやわらげる方法があります。 …

犬の認知症とは？症状・対処法・予防までわかりやすく解説！ 続きを読む

犬の肺動脈狭窄症（はいどうみゃくきょうさくしょう）は、見た目ではなかなか気づきにくい心臓の病気です。この記事では、症状から治療法、そして予防のポイントまで、専門用語をできるだけ使わずにわかりやすくご紹介します。大切な愛犬の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。 🫀 肺動脈狭窄症ってどんな病気？ 肺動脈狭窄症は、**心臓から肺に血液を送る「肺動脈」**の入口部分が生まれつき狭くなっている病気です。この部分には「肺動脈弁（はいどうみゃくべん）」という弁があり、ここがうまく開かない・狭くなることで血液の流れが妨げられてしまいます。 🐾 ポイント 先天性（生まれつき）の心臓病の中で、犬では比較的よく見られる病気です。 小型犬から大型犬まで、どんな犬種でも起こり得ます。 ⚠️ こんな症状に気づいたら注意！ 肺動脈狭窄症の症状は、その重さによって大きく変わります。軽い場合はまったく気づかれないこともある一方で、重症になると命に関わるケースもあります。 🐕 主な症状 散歩や遊びを嫌がる、疲れやすい（運動をしたがらない） 呼吸が荒くなる（苦しそうに息をする） 歩き方がおかしい、ふらつく 興奮や激しい運動の後に倒れることがある 💡 特に初期は無症状のことも多いため、動物病院での健康診断で初めて見つかるケースが少なくありません。 🧬 原因は？遺伝との関係も この病気のはっきりとした原因は分かっていませんが、犬種や家系によって発症しやすいことから、遺伝的な影響があると考えられています。 🐾 繁殖を考えている場合は、家系に同じ病気の子がいなかったか確認すると安心です。 🩺 治療法は？進行具合で異なる対応を 肺動脈狭窄症の治療は、症状の有無や狭窄の程度によって異なります。 ✅ 軽度の場合 自覚症状がないことも多く、定期検診による経過観察が中心 …

犬の肺動脈狭窄症とは？症状・治療・予防までやさしく解説！ 続きを読む

犬の目が白っぽく見えたり、最近ぶつかることが増えたと感じたことはありませんか？もしかしたら、それは「白内障」のサインかもしれません。 白内障は人間にもよく見られる目の病気ですが、実は犬にも起こります。放っておくと視力を失うこともあるため、早めの気づきと対処がとても大切です。 この記事では、犬の白内障について、原因から治療法、日々のケアまでやさしく解説します。🐶👁️ 👀 白内障ってどんな病気？ 白内障とは、目の中の「水晶体（すいしょうたい）」というレンズのような部分が白くにごる病気です。このにごりのせいで、物が見えづらくなったり、視力を失ったりすることがあります。 人間の白内障とよく似ていますが、犬の場合は気づきにくいことも多いのが特徴です。 🚩 主な症状は？ こんなサインが見られたら要注意！ 目が白っぽくにごって見える 歩き方がぎこちない よく物にぶつかるようになった 階段でつまずく 視線が合わず、反応が鈍く感じる 🐾 特に初期の白内障は、犬がまだ普通に歩けてしまうため、飼い主さんが気づかないこともあります。 🐾 白内障になる原因は？ 白内障にはいくつかのタイプがあり、原因もさまざまです。 🔹 後天性白内障（多く見られるタイプ） 加齢（シニア犬に多い） 外傷（目をぶつけるなど） 糖尿病などの代謝異常 ほかの目の病気の影響   🔹 先天性・若年性白内障 生まれつき水晶体が濁っている …

犬の白内障とは？症状・原因・治療法までわかりやすく解説！ 続きを読む

犬が階段を嫌がったり、足を引きずって歩いていたら、それは「変形性骨関節症（DJD）」のサインかもしれません。年齢を重ねると人間と同じように、ワンちゃんの関節にも負担がかかってきます。この記事では、飼い主さんにぜひ知っておいていただきたい変形性骨関節症の症状や原因、予防・治療方法について、分かりやすくまとめました。 🦴 変形性骨関節症（DJD）ってどんな病気？ 変形性骨関節症とは、関節がすり減って変形し、痛みや動かしにくさが出てくる病気です。主に 加齢によって自然に進行する「原発性」 と、他の関節の病気やケガが原因で起こる「続発性」 に分かれます。 特にシニア期を迎えた犬に多く見られますが、若いうちから他の病気や外傷が引き金となって発症するケースもあります。 ⚠️ こんな症状、ありませんか？ 飼い主さんが気づきやすい初期のサインは、以下のようなものです： 散歩中にすぐ疲れて座り込む 足を引きずって歩く（跛行） 階段やソファに登るのを嫌がる 立ち上がる時に時間がかかる 関節を触ると嫌がる・痛がる 関節が腫れている、触ると熱い 📝さらに進行すると、関節を動かしたときに“ゴリゴリ”と音がしたり（捻髪音）、関節の動きが悪くなっていきます。 🔍 主な原因とは？ 🧬 原発性（加齢が原因） 加齢による軟骨のすり減りや関節液の減少が原因 とくにシニア犬に多く見られます   💥 続発性（二次的に起こる） 以下のような疾患や要因が、関節に負担をかけることがあります： 🦵先天性の関節の異常 股関節形成不全 …

犬の変形性骨関節症とは？🐾痛み・原因・予防法までやさしく解説！ 続きを読む

🐕「最近、うちの子が腰を振って歩く気がする…」「階段を嫌がるのは年のせい？」そんな変化に気づいたら、それは**股関節形成不全（こかんせつけいせいふぜん）**のサインかもしれません。 この記事では、犬の股関節形成不全について、わかりやすく丁寧に解説します。大切なわんちゃんの健康を守るために、ぜひチェックしてみてください！ 🦴 股関節形成不全ってどんな病気？ 股関節形成不全とは、股関節が正常にかみ合っていなかったり、変形してしまう病気です。その結果、歩き方に異変が出たり、痛みが出たりします。 📌 こんな犬種に多い傾向あり 以下のような大型犬によく見られます： ジャーマン・シェパード ラブラドール・レトリーバー ゴールデン・レトリーバー バーニーズ・マウンテン・ドッグ ロットワイラー セント・バーナード グレート・ピレニーズ 🐶 小型犬や中型犬での発症はまれですが、ゼロではありません。 ⚠️ よくある症状とは？ 股関節形成不全になると、以下のようなサインが見られることがあります。 👀 症状のチェックリスト 腰を振るように歩く 歩き方や座り方がぎこちない 散歩の途中で座り込む 足を引きずる・かばう 階段の昇り降りを嫌がる うさぎ跳びのように後ろ足で地面を蹴る 元気がない、運動を嫌がる（運動不耐性） 🕒 …

犬の股関節形成不全とは？歩き方に異変が出たら要注意！原因・症状・治療・予防法をやさしく解説 続きを読む

愛犬が急に足をかばって歩いたり、触ると痛がったりしていませんか？もしかすると、それは「骨折」が原因かもしれません。 骨折というと大ごとのように感じますが、適切な処置をすればしっかり回復できる病気です。この記事では、犬の骨折について、原因・症状・治療法・予防のポイントまで、飼い主さんにわかりやすく解説していきます🐾 ⚠️ 骨折とは？犬に多い原因をチェック！ 犬の骨折は、強い衝撃が体に加わったときに起こるケガです。特に以下のような場面で注意が必要です。 🛑 主な原因 交通事故（自転車や車との接触など） 高い場所からの落下（ソファや階段、ベランダなど） 大型犬との激しいじゃれ合い 骨の病気（骨腫瘍、クル病など） 子犬や肥満犬に多い「骨の脆さ」 とくに子犬やシニア犬、体重の重い犬種では骨折のリスクが高まります。ちょっとした転倒が原因になることもあるので注意が必要です。 🐕 こんな様子が見られたら要注意！骨折のサイン 骨折の症状は折れた場所によって変わりますが、以下のような変化が見られたら早めに動物病院へ連れて行きましょう。 ✅ よく見られる症状 足を引きずる、地面につけない 触れると痛がる、キャンと鳴く 足の形や向きがおかしい 歩き方が不自然、ふらつく 排便・排尿がうまくできない（背骨の骨折時） 🏥 特に背骨を折った場合は、神経麻痺や排せつ障害につながることもあります。早期治療がとても大切です！ 🩺 治療法は？ギプス固定から手術まで 治療方法は犬の年齢、骨折の場所や重症度によって異なります。 🛠️ 主な治療法 …

犬の骨折ってどんな病気？原因・症状・治療・予防法をやさしく解説！ 続きを読む

犬の健康を守るためには、あまり知られていない病気にも目を向けることが大切です。そのひとつが「クリプトコッカス症」。この病気は、あるカビによって引き起こされ、免疫力が落ちているときに感染しやすくなります。猫で多い病気ではありますが、犬や人にも感染する可能性があるため、知っておいて損はありません。 この記事では、クリプトコッカス症の症状や原因、治療法、そして予防のポイントまで、わかりやすく解説していきます🐶 🦠 クリプトコッカス症ってどんな病気？ クリプトコッカス症は、「クリプトコッカス」という真菌（カビ）の仲間に感染することで発症する病気です。この菌は土や空気、ハトの糞など、身近な環境にも存在しており、鼻や口から吸い込むことで体内に入り込みます。 健康な犬が感染しても発症することは稀ですが、免疫力が落ちているときに感染しやすくなるのが特徴です。実は人にも感染することがあり、「人獣共通感染症（ズーノーシス）」としても知られています⚠️ 📋 主な症状は？どんなサインに注意すべき？ 初期の症状は風邪のように見えることも多く、見逃しやすいのが厄介です。こんな症状が見られたら、注意しましょう。 🔍 よくある症状 🤧 鼻水やくしゃみ 🐽 鼻の腫れ・潰瘍 🫁 息が荒くなる（呼吸が苦しそう） 🧠 痙攣（けいれん）や麻痺、運動障害 👀 目の異常（視力低下・失明など） 🚶‍♂️ 歩き方がおかしい 症状が進行すると、肺炎や中枢神経への感染を引き起こし、呼吸困難や失明などの重い障害をもたらすこともあります。 🧫 原因はどこにあるの？ この病気の原因は、環境中に広く存在する「クリプトコッカス」というカビです。特にハトのフンなどに多く含まれており、それが風に乗って土壌や空気中に広がります。 🐾 感染ルート 鼻や口からカビを吸い込むことで感染 …

犬のクリプトコッカス症とは？症状・原因・治療法までやさしく解説！ 続きを読む

愛犬が「よだれが多い」「ふらふら歩く」「けいれんを起こす」などの症状を見せたら、もしかすると【門脈シャント】という耳慣れない病気かもしれません。この記事では、門脈シャントの原因や症状、治療法、注意すべき犬種などをやさしく解説します。 🩸 門脈シャントってどんな病気？ 門脈シャント（正式には「門脈体循環シャント」）とは、本来なら肝臓に送られるはずの血液が、別のルートを通って全身に流れてしまう異常です。 この異常血管（シャント）によって、アンモニアなどの毒素が肝臓で処理されずに体内を回ってしまうため、脳や体にさまざまな不調をきたします。 ⚠️ 主な症状は？ 門脈シャントが進行すると、以下のような症状が見られます： よだれが増える 食後にフラつく・歩き方がおかしい けいれん発作を起こす 一時的に目が見えなくなる（盲目） 食欲がない・体重が減る 成長が遅い（特に若い犬） お腹に水がたまる（腹水） 尿路結石や膀胱炎を併発することも 🐾 特に食後に症状が出る・悪化するケースが多く、見逃さないようにしましょう。 🐕 好発犬種は？ 門脈シャントは、特定の犬種で先天的に起こりやすい傾向があります。よく見られるのは以下の犬種です： シェルティ（シェットランド・シープドッグ） ヨークシャー・テリア ミニチュア・シュナウザー シーズー ラブラドール・レトリーバー これらの犬種では、生後数ヶ月〜2歳ごろまでに発症することが多いです。発育が遅れていると感じたら、早めに獣医さんに相談しましょう。 🔍 原因はなに？ 門脈シャントの原因には、次の2つのタイプがあります。 …

犬の門脈シャントとは？症状・原因・治療法をわかりやすく解説！ 続きを読む

中年〜高齢のワンちゃんに多く見られる「内耳炎」。外からは見えにくい場所の炎症のため、気づかないうちに進行してしまうこともあります。今回は、内耳炎の原因から症状、治療法、そして予防のポイントまで、飼い主さんにわかりやすく解説します。 👂 内耳炎ってどんな病気？ 犬の**内耳炎（ないじえん）**は、耳の奥にある「内耳」と呼ばれる部分に炎症が起きる病気です。多くの場合、外耳炎や中耳炎が進行して内耳まで広がったことで発症します。 内耳はバランス感覚をつかさどる重要な場所。そのため、内耳にトラブルが起きると、ふらつきや目の揺れ、傾いた姿勢などが目立つようになります。 ⚠️ 主な症状とは？ 次のような行動が見られたら、内耳炎の可能性があります。 頭を傾けている（特に片側だけ） 同じ方向にくるくる回る 歩き方がふらつく・よろける 眼球が左右に揺れる（眼振） 転びやすくなる 吐き気や嘔吐 食欲が落ちる 耳をかゆがる・頭をよく振る 耳が遠くなった（難聴） 顔の片側が下がる（顔面マヒ） 👀 これらはすべて、内耳に炎症や異常が起きたサインです。 🦠 原因はどこから？ 内耳炎の主な原因は、以下のような他の病気からの波及です。 外耳炎・中耳炎が長引いた場合 慢性的な歯のトラブル（歯周病など） 腫瘍やポリープが耳やその周辺にできた場合 特に慢性の外耳炎を繰り返している子や、年齢を重ねたワンちゃんは、要注意です。 💊 治療方法は？ 内耳炎の治療は、原因となっている炎症や感染にアプローチすることが基本です。 …

犬の内耳炎とは？原因・症状・治療法までわかりやすく解説！ 続きを読む