犬の脳腫瘍とは?症状・原因・治療・予防まで獣医師目線でわかりやすく解説!

犬の病気

「最近、うちの子の様子がちょっと変かも…」と感じたことはありませんか?**
もしかすると、それは脳腫瘍のサインかもしれません。

犬の脳腫瘍は、特にシニア期の子に多く見られる病気です。この記事では、犬の脳腫瘍について、飼い主さんにも分かりやすく、専門的な視点からやさしく解説していきます。

🧠 脳腫瘍ってどんな病気?

脳腫瘍とは、脳の中にできる「できもの(腫瘍)」のこと。
犬では7歳以上の中〜高齢期に多く見られます。

腫瘍は良性でも悪性でも、脳の大切な部分を圧迫したり、神経の働きを妨げたりするため、命に関わることもあります。

⚠️ どんな症状が見られるの?

脳腫瘍の症状は、できた場所や大きさによってさまざまです。初期は気づきにくいこともありますが、次のような変化が現れることがあります。

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🔍 よくある症状

  • ふらついたり、まっすぐ歩けない

  • 痙攣(けいれん)やてんかん発作

  • 斜頸(首が傾いた状態)

  • ぐるぐると旋回運動をする

  • 顔のマヒ(まぶたが閉じにくい、よだれが垂れる など)

  • 眼球が小刻みに動く(眼振)

  • 性格の変化(攻撃的、ぼーっとして反応が鈍いなど)

  • ずっと寝てばかりいる

💡ポイント:
認知症と間違われやすい行動が見られることもあるので、違和感を感じたら早めに獣医さんに相談しましょう。

🧬 原因は?どこから来るの?

脳腫瘍には、大きく分けて2つのタイプがあります。

🏷️ 原発性脳腫瘍

脳の細胞が変化してできたもの。代表的なものに髄膜腫やグリオーマなどがあります。

🏷️ 続発性脳腫瘍

他の臓器にできた腫瘍が転移して脳に広がったものです。例としては以下のようなものがあります。

  • メラノーマ(悪性黒色腫)

  • リンパ腫(リンパ肉腫)

  • 乳腺がん

  • 血管肉腫

  • 鼻や耳、頭蓋骨にできた腫瘍が浸潤(しんじゅん)するケースもあります

 

🩺 治療法はあるの?

治療法は腫瘍の場所・種類・進行具合によって異なります。

💊 内科的治療(対症療法)

  • 抗てんかん薬(発作を抑える)

  • 抗炎症薬(脳の腫れを抑える)

  • ステロイド(腫瘍による浮腫を軽減)

 

🔪 外科手術

  • 手術で腫瘍を取り除ける場合は、根治を目指せます。

  • ただし、場所によっては手術が難しいこともあります。

 

☢️ 放射線治療

  • 手術ができない場合や、腫瘍を縮小したいときに有効です。

 

💉 化学療法

  • 他の治療と併用されることもありますが、脳に届きにくいという課題も。

📌 早期発見が治療のカギ!
「ちょっと変だな」と感じたら、MRIやCTなどの精密検査を受けましょう。

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🛡️ 予防はできるの?

残念ながら、犬の脳腫瘍を完全に防ぐ方法はありません

しかし、以下のことを意識することで早期発見につなげることができます。

✅ 予防のためにできること

  • 年1回以上の健康診断を受ける

  • シニア期に入ったら血液検査・神経チェックをこまめに

  • 行動の変化に敏感になる(動画に残して獣医に見せるのも◎)

 

🐾 最後に:愛犬の異変、見逃さないで

犬の脳腫瘍は進行が早く、放置すると命に関わる重大な病気です。でも、早期に気づき、適切な対応をすれば改善や緩和も可能です。

さらに参照してください:

犬の門脈シャントとは?症状・原因・治療法までやさしく解説!

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