犬の「あくび」や「目をそらす」行動には、実は深い意味があります。
カーミングシグナルを理解して、愛犬との信頼関係をもっと深めましょう。
犬は言葉を話せないけれど、全身で伝えている
犬は言葉を話すことはできませんが、その代わりに「体の動き」や「表情」で気持ちを伝える達人です。
その中でも注目すべきなのが、**カーミングシグナル(Calming Signals)**と呼ばれる行動。
これは、犬が「自分を落ち着かせる」または「相手をなだめる」ために行う自然なボディランゲージです。
しかし、飼い主がこのサインを知らないと「反抗している」「話を聞いていない」と誤解してしまうことがあります。
ここでは、特に誤解されやすいカーミングシグナルと、その正しい受け取り方を紹介します。
あくびは「リラックスして」のサイン
犬が叱られているときにあくびをする――そんな場面を見たことはありませんか?
「反省していない」「ふざけている」と思う飼い主さんも多いですが、実はそれ、ストレスを和らげるための行動なんです。
犬は緊張や不安を感じたときに、あくびをして気持ちを落ち着かせようとします。
また、「もう怒らないで」「落ち着いて」と飼い主に伝える意味もあるのです。
👉 対応のコツ
叱っている最中に犬があくびをしたら、それ以上怒らずに少し距離を取りましょう。
犬は「あなたが怖い」ではなく、「落ち着いてほしい」と伝えているだけなのです。
あくび以外にも、目をそらす・顔を横に向ける・体を少し背けるなどもカーミングシグナルの一種。
これらは「対立したくない」という平和的なメッセージなのです。
ふらふら歩いたり匂いを嗅ぐのも理由がある
トレーニング中に「呼んでもなかなか来ない」「地面の匂いを嗅ぎ始める」などの行動を見たことがあるでしょう。
実はこれも、犬が感じるプレッシャーや緊張をやわらげるための行動。
たとえば、飼い主の声がいつもより強かったり、難しい指示を受けて混乱しているときに見られます。
犬はその場のストレスを下げるために、あえてゆっくり歩いたり、ふらふらとカーブを描いて戻ってくることがあるのです。
🐾 飼い主へのアドバイス
こうした行動を見たときは「無視してる!」と叱るのではなく、犬が落ち着けるようにトーンを優しくしたり、トレーニングを一度中断してみましょう。
犬がリラックスできる環境を整えることが、しつけ成功への近道です。
犬のボディランゲージを観察する習慣を
カーミングシグナルは他にも、
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鼻を舐める
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身体を振る(ブルブルする)
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ゆっくりまばたきする
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相手に背中を向ける
など、さまざまな形で現れます。
これらを正しく読み取ることができれば、犬の感情をより深く理解でき、信頼関係が格段に強くなります。
「なぜ今この行動をしているのだろう?」と観察することこそが、愛犬との最高のコミュニケーションです。
【まとめ】犬の小さなサインを見逃さないで
犬は私たちに、毎日たくさんの「言葉にならないメッセージ」を送っています。
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あくびや目をそらすのは「落ち着いて」のサイン
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匂いを嗅ぐ、ふらふら歩くのは「緊張をほぐしている」証拠
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叱らず、安心できる距離を取ることが大切
カーミングシグナルを理解すれば、叱る回数が減り、犬との絆がより深まります。
「行動の裏にある気持ち」を感じ取ることこそ、真の“犬との対話”です。
さらに参照してください:犬を迎える前に知っておきたい大切な準備


