愛犬が突然けいれんを起こして倒れたら…びっくりしてしまいますよね。
もしかしたらそれ、「てんかん発作」かもしれません。
この記事では、犬のてんかんの症状や原因、治療法、日常の注意点について、獣医目線で分かりやすく解説します。
てんかんってどんな病気?
犬のてんかんとは、繰り返し起こるけいれん発作を特徴とする脳の病気です。
大きく2つのタイプがあります。
- 特発性てんかん(とくはつせいてんかん):原因がわからないが、遺伝が関係していることも。
- 症候性てんかん:脳に腫瘍や炎症など、はっきりした原因があるタイプ。
どちらもけいれん発作を引き起こしますが、治療方法が異なります。
どんな症状が出るの?前ぶれにも注目!
発作の前には、いつもと違う行動が見られることがあります。
発作前のサイン(前兆)
- よだれが多くなる
- そわそわする
- 急に甘えてくる、または落ち着きがなくなる
- じっとして動かなくなる
発作中に見られる症状
- 体がピクピクけいれんする
- 意識を失って倒れる
- よだれを垂らす
- 失禁する
- 見えないものを追いかけるような行動
- 攻撃的になる
発作の時間は数秒から数分程度。
ただし、**けいれんが繰り返し止まらない「重積発作(じゅうせきほっさ)」**はとても危険で、命に関わることも。すぐに動物病院へ!
てんかんの原因は?遺伝や病気が関係することも
犬のてんかんは、脳の神経が異常に興奮することで起こります。
主な原因
- 脳腫瘍(のうしゅよう)
- 水頭症(すいとうしょう)
- ウイルス性脳炎(例:犬ジステンパー)
- 原因不明(特発性てんかん):遺伝が関係することも多く、特定の犬種に多く見られます。
特に発症しやすい犬種
ビーグル、シェパード、ラブラドール、ボーダーコリーなど
治療方法は?発作の頻度や原因によって変わる
まずは、てんかんの種類を見極めることが大切です。
症候性てんかんの場合
脳腫瘍や炎症など、原因となる病気の治療を行います。
特発性てんかんの場合
抗てんかん薬(けいれんを抑えるお薬)を用いて、発作をコントロールします。
- 発作の頻度や重さに応じて薬の種類や量を調整
- お薬は基本的に継続的な投与が必要
重積発作のときは緊急治療が必要です。
迷わずすぐに病院へ連れていきましょう!
獣医さんに伝えたい「発作時の情報」
診断には、発作時の様子を正確に伝えることがとても大切です。以下をメモしておくと役立ちます。
- 発作が起きた日時と時間の長さ
- どんな様子だったか(動画があれば◎)
- 前後の行動や様子
- 食事や排せつ、普段との違い
予防はできるの?できるだけ早く気づくことがカギ!
てんかん自体を完全に防ぐことは難しいですが、早期発見がとても重要です。
日ごろからできること
- 定期的な健康診断を受ける
- 発作を疑うような行動があれば、すぐ病院へ
- 発作が起きたら落ち着いて対応し、状況を記録する
飼い主さんへのアドバイス
てんかんの発作を目の当たりにすると、不安になるのは当然です。
でも、適切な治療と見守りがあれば、てんかんと上手につきあっていくことは十分可能です。
お薬で発作のコントロールができれば、普段どおり元気に生活できますよ!
愛犬の様子をよく観察して、いつもと違うサインを見逃さないようにしましょう。
まとめ:犬のてんかんは、早期発見&冷静な対応がカギ!
犬のてんかんは命に関わる病気ではありませんが、放っておくと危険です。
少しでも気になる行動や症状があれば、早めに動物病院で相談しましょう。
愛犬と安心して暮らすために、てんかんについて正しく知り、備えておくことが大切です。
さらに参照してください:犬の認知症とは?症状や原因、対処法・予防法までやさしく解説!