犬のアジソン病(正式には「副腎皮質機能低下症」)は、あまり耳にしない病気かもしれませんが、放っておくと命にかかわることもある重大な疾患です。
この記事では、アジソン病の症状から原因、治療法、そして日常で気をつけたいポイントまで、分かりやすくご紹介します。
アジソン病ってどんな病気?
アジソン病は、副腎皮質ホルモンという体に必要なホルモンが、うまく作られなくなることで起こる病気です。
このホルモンは、体の水分バランスやエネルギー、ストレスへの対応などに関わっているので、分泌が足りなくなると、体にさまざまな不調があらわれます。
どんな症状が出るの?慢性タイプと急性タイプ
アジソン病には「慢性型」と「急性型」があり、症状の出方や重さに違いがあります。
慢性型の主な症状
・食欲がなくなる
・元気がない、すぐ疲れる
・吐く(嘔吐)や下痢
・体重が減る
・たくさん水を飲む
・おしっこの量が増える
症状が出たりおさまったりを繰り返すのが特徴で、「なんとなく元気がない日が続くなぁ」と感じるようなケースも多いです。
急性型の主な症状
・急にぐったりする
・ふらついて倒れる
・ショック状態になる
命に関わることもあるため、すぐに病院での治療が必要です。
どんな犬がなりやすいの?
アジソン病は、若い~中高年のメス犬に多く見られます。とくに以下の犬種は注意が必要です。
- ビーグル
- スタンダード・プードル
- コリー
- グレート・デーン
- ロットワイラー
- ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア など
アジソン病の原因は?
アジソン病は、主に以下のような理由で副腎がうまく働かなくなることで起こります。
主な原因
- 自己免疫反応によって副腎が壊れてしまう
- 腫瘍や感染症による障害
- ステロイド薬を急にやめたことによる副作用(医原性)
- 脳の異常でホルモン指令が届かなくなるケースも
つまり、体の中のホルモン調整システムがうまく機能しなくなってしまうんですね。
治療方法は?一生付き合う病気なの?
急性症状が出た場合はすぐに治療!
ショック状態になっているときは命に関わるため、緊急での治療が必要です。点滴や注射などで命を守る処置が行われます。
慢性タイプの治療はホルモン補充
一度発症したら、副腎皮質ホルモンを生涯にわたって補う治療が基本になります。
ただし、ステロイド薬の影響で一時的に起こったアジソン病の場合は、体が回復すれば薬が不要になることもあります。
予防するには?早めの発見がカギ!
アジソン病は、完全に予防するのが難しい病気ですが、重症化を防ぐためには早期発見・早期治療がとても重要です。
いつもと違う様子(元気がない、水をよく飲む、痩せてきたなど)が見られたら、迷わず動物病院へ!
特にリスクが高い犬種を飼っている方は、定期的な健康チェックを心がけましょう。
まとめ
アジソン病は見逃されやすい病気ですが、しっかり治療すれば犬と元気に暮らすことができます
大切な愛犬の健康を守るためにも、「いつもと違うな」と感じたらすぐに獣医さんに相談してみてくださいね。
さらに参照してください:犬のてんかんとは?症状・原因・治療法をわかりやすく解説!