愛犬の健康を守るためには、フィラリア症(犬糸状虫症)について知っておくことがとても重要です。フィラリアは命に関わることもある病気ですが、予防方法をしっかりと守れば防げます。今回は、犬のフィラリア症についてその症状や治療法、予防方法をわかりやすく解説します!
フィラリア症とは?
フィラリア症は、フィラリアという寄生虫が犬の体内に寄生して引き起こす病気です。この病気は、蚊を媒介として広がり、感染が進行すると心臓病のような症状が現れ、最悪の場合、命に関わることがあります。犬に特有の病気と思われがちですが、実はタヌキや猫、さらには人間にも寄生することがあります
主な症状
フィラリア症の症状は、感染したフィラリアの数や寄生期間、犬の健康状態によって異なります。感染初期では症状がほとんど見られないこともありますが、時間が経つと次第に症状が現れます。
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咳や呼吸が荒い:フィラリアが寄生し始めると、咳や息切れなどの呼吸器症状が見られることがあります。
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お腹が膨れる:腹水(お腹に水がたまる)が溜まり、お腹が膨らんで見えることがあります。
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元気がない・疲れやすい:散歩中に休む回数が増えたり、運動を嫌がるようになります。
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運動嫌い:散歩を嫌がり、歩くのがしんどそうになることがあります。
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喀血(血を吐く)や失神:進行すると血を吐くことや、失神することもあります。
特に重症化すると、**大動脈症候群(急性犬糸状虫症)**という急性症状を引き起こし、血尿や呼吸困難で倒れてしまうこともあります。これは緊急治療が必要な状態で、早期に対応しないと命の危険が高まります
フィラリア症の原因
フィラリア症は、蚊によって媒介されるフィラリアという寄生虫が犬の体内に入り込むことで発症します。感染の流れを簡単に説明します。
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蚊がフィラリアに感染している犬を吸血:蚊がフィラリアに感染した犬の血を吸うと、フィラリアの幼虫が蚊の体内に入ります。
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蚊が他の犬を吸血:その蚊が他の犬を刺すと、感染幼虫が犬の体内に入ります。
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フィラリアが成長し、心臓や肺に寄生:感染した幼虫は犬の血管を通って心臓や肺動脈に寄生し、最終的に成虫に成長します。
成虫になったフィラリアは、ミクロフィラリアを産み、それが蚊に吸血されることで感染が広がります。このサイクルが続くと、フィラリア症が悪化します。
治療方法
フィラリア症は進行すると命に関わることがあるため、早期の治療が重要です。治療方法には内科的療法と外科的療法があります。
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内科的療法:薬剤で体内のフィラリアを駆除します。ただし、フィラリアが大量に寄生している場合、一度に駆除すると肺動脈に詰まり命に危険が及ぶことがあるため、慎重に治療を進めます。
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外科的療法:急性症状が出ている場合、外科的手術で心臓や大動脈に寄生しているフィラリアを取り除きます。
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対症療法:症状に応じて、薬剤で腹水を減らしたり、咳を抑えたりする治療を行います。
早期に獣医師に相談し、適切な治療を受けることが大切です。
フィラリア症の予防法
フィラリア症を予防するためには、予防薬を定期的に投与することが最も効果的です。フィラリア予防薬は、蚊が吸血する前に幼虫を死滅させ、フィラリアが犬の体内で成長するのを防ぎます。
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予防薬の投与期間:一般的には蚊が活動し始める時期の1ヵ月後から、蚊がいなくなる1ヵ月後まで投与する必要があります。地域によって蚊の活動時期が異なるため、獣医師の指示に従って投薬期間を決めましょう。
予防薬の投与は、蚊がいないからといって中止せず、定められた期間にしっかりと続けることが重要です
まとめ
犬のフィラリア症は、蚊によって媒介されるフィラリアという寄生虫が原因で引き起こされます。早期に症状を発見し、適切な治療を行うことが大切ですが、最も重要なのは予防です。予防薬をしっかりと投与し、フィラリア症を未然に防ぐことで、愛犬の健康を守ることができます!
愛犬の健康管理をしっかり行い、定期的な予防を忘れずに、元気な毎日を過ごさせてあげましょうね!
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