レプトスピラ症は、細菌「レプトスピラ」に感染することで、腎臓や肝臓に障害を引き起こす病気です。症状が軽い場合もありますが、重症化すると命に関わることも。さらに、人にも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)であるため、飼い主さんも注意が必要です。
本記事では、犬のレプトスピラ症の症状・原因・治療法・予防法について分かりやすく解説します。
レプトスピラ症とは?
レプトスピラ症は、「レプトスピラ」という細菌によって引き起こされる感染症です。感染すると、腎不全や肝障害を引き起こし、場合によっては命に関わることもあります。また、人にも感染するため、感染した犬の尿などには特に注意が必要です。
感染経路
- ネズミなどの保菌動物の尿に触れる
- 汚染された水や土に接触する
- 汚染された食べ物を口にする
特に水たまりや湿った土壌での感染リスクが高いとされています。
レプトスピラ症の主な症状
レプトスピラ症には、無症状で自然治癒する場合(不顕性感染)と、重症化するケースがあります。
主な症状
高熱(40℃前後)
食欲不振
嘔吐・下痢・血便
結膜の充血(目が赤くなる)
口腔内の出血
黄疸(皮膚や粘膜が黄色くなる)
脱水症状
症状が進行すると、急性腎不全や肝障害を引き起こし、最悪の場合は数時間~数日で命を落とすこともあります。

レプトスピラ症の原因
レプトスピラ症は、以下のようなレプトスピラ菌の感染によって発症します。
- レプトスピラ・カニコーラ(イヌ型):腎臓に影響を与え、尿毒症を引き起こす
- レプトスピラ・ヘクテロヘモラジー(黄疸型):肝臓に影響を与え、重度の黄疸や出血をもたらす
感染した動物(特にネズミ)の尿が土や水を汚染し、それを舐めたり、皮膚の傷口から菌が侵入したりすることで感染します。
レプトスピラ症の治療法
レプトスピラ症の治療には、抗菌薬の投与が有効です。早期に治療を開始すれば回復の可能性も高まります。
抗菌薬の投与(細菌の増殖を抑える)
対症療法(腎不全や肝障害がある場合は輸液や補助療法)
入院管理(重症化した場合、集中治療が必要)
※レプトスピラ症は進行が早いため、少しでも疑わしい症状があれば、すぐに動物病院を受診しましょう!
レプトスピラ症の予防法
ワクチン接種を受ける
レプトスピラ症には、予防ワクチンがあります。地域によっては感染リスクが高いため、定期的なワクチン接種を検討しましょう。
清潔な環境を保つ
水たまりや湿った土のある場所での散歩は控え、犬の飲み水や食べ物が汚染されないように注意しましょう。
ネズミなどの野生動物との接触を避ける
感染源となるネズミが住み着かないよう、住環境を整えましょう。
早期発見・早期治療
愛犬の様子に異変を感じたら、すぐに動物病院へ。特に発熱や嘔吐が続く場合は、速やかに受診することが大切です。

まとめ
レプトスピラ症は、細菌感染によって引き起こされる危険な病気です。軽症の場合もありますが、重症化すると命に関わることも。さらに、人にも感染する可能性があるため、愛犬と飼い主さんの健康を守るために、予防策をしっかり講じましょう。
予防のポイント
- 定期的なワクチン接種を行う
- 水たまりや湿った場所を避ける
- ネズミなどの野生動物との接触を防ぐ
- 異変を感じたらすぐに動物病院へ!
愛犬の健康を守るために、日頃から注意を払いましょう!
さらに参照してください:犬の結膜炎とは?症状・原因・治療法を徹底解説!