年齢を重ねた愛犬が「最近、咳が多くなったな…」なんてこと、ありませんか?
それ、もしかすると心臓の病気「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」かもしれません。
この病気は小型犬にとても多く見られる心臓のトラブルで、放っておくと命に関わることも。
今回はそんな僧帽弁閉鎖不全症について、症状から治療法、予防のポイントまで、わかりやすく解説します
僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気?
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の中にある「僧帽弁」という弁がうまく閉じなくなり、血液が逆流してしまう病気です。
その結果、心臓に負担がかかり、さまざまな不調があらわれます。
特にかかりやすい犬種:
以下の小型犬に多く見られます。
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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
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マルチーズ
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ヨークシャー・テリア
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シーズー など
5~6歳頃から発症することもあり、年齢とともにリスクが高まります。
主な症状は?チェックポイントを確認!
以下のような変化が見られたら要注意です
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散歩中や夜間に咳をする
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以前より疲れやすくなった
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運動を嫌がるようになった
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呼吸が苦しそう(特に進行時)
進行すると「肺水腫(はいすいしゅ)」という状態になり、呼吸困難に陥る危険もあります。
「いつもの咳だから」と見過ごさないようにしましょう。
原因はなに?まだ解明されていない部分も…
僧帽弁閉鎖不全症の原因は、僧帽弁が「粘液腫様変性(ねんえきしゅようへんせい)」と呼ばれる変化を起こしてしまうこと。
弁が分厚くなり、しっかり閉じなくなるのが特徴です。
この変化の正確な原因はまだわかっていませんが、犬種によって発症しやすさに違いがあることから、遺伝的な要素も関係していると考えられています。
治療法は?症状を抑えてうまく付き合おう
残念ながら、この病気を完全に治す方法はまだありません。
ですが、適切な治療をすることで、進行を遅らせ、愛犬が快適に過ごせるようになります。
主な治療内容
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食事療法
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体重管理
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運動の制限
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投薬(血管拡張剤など)
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肺水腫がある場合は、その治療も併用
症状が軽いうちから治療を始めることで、元気な時間を長く保てます
予防と早期発見がカギ!
この病気を完全に防ぐことは難しいですが、「早期発見・早期治療」が何より大切です。
予防のポイント
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定期的に動物病院で心音チェックを受ける
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元気や咳の変化に敏感になる
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特にかかりやすい犬種は注意深く観察する
年に1〜2回の健康診断でも十分にリスクを見つけられることがありますよ
まとめ:シニア期の愛犬を守るために
僧帽弁閉鎖不全症は、高齢の小型犬にとって身近な心臓の病気です。
でも、早めに気づいてあげれば、薬やケアで生活の質をグッと上げることができます。
「なんとなく最近元気がない…」と思ったら、ぜひ一度、動物病院で相談してみてくださいね。
愛犬の小さなサインを見逃さないことが、いちばんの予防です
さらに参照してください:犬の心室中隔欠損症とは?症状・原因・治療法をやさしく解説!