「最近、うちの子なんだか元気がない…」
そんなときに知っておきたいのが【免疫介在性溶血性貧血(IMHA)】という病気です。
これは、愛犬の体の“防御システム”が自分自身の赤血球を間違って攻撃してしまう、ちょっと厄介な病気。放っておくと命に関わることもあるため、飼い主さんの早めの気づきと対処がとても大切です。
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)ってどんな病気?
IMHAは、犬の免疫システムが自分の赤血球を敵と間違えて壊してしまう自己免疫性の疾患です。赤血球が減ることで酸素がうまく体に運ばれず、さまざまな不調が出てきます。
主な症状とは?
「ちょっと疲れやすいだけかな?」と思っても、実は病気のサインかも。以下のような症状が見られたら要注意です。
よく見られる症状
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元気がない・ぐったりしている
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散歩や運動中にすぐ座り込む
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呼吸が浅く速い(息が荒い)
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食欲不振
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吐く(嘔吐)
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おしっこの量が増える(多尿)・水をたくさん飲む(多飲)
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黄疸(歯ぐきや目の白目部分が黄色っぽくなる)
特に、疲れやすさや息切れなどの「貧血っぽい症状」がよく見られます。
なぜ起こるの?原因は?
本来、ウイルスや細菌などを攻撃して体を守るはずの免疫システムが、何らかの理由で「赤血球=敵」と勘違いして攻撃してしまうことで発症します。
原因として考えられるもの
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ウイルスや細菌の感染
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抗生物質やワクチンなどの薬剤
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遺伝的な要因(犬種や性別による影響も)
ただし、原因がはっきりしないことも多くあります。
どんな犬に多いの?
IMHAはすべての犬に起こりうる病気ですが、以下の犬種で発症しやすい傾向があります。
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マルチーズ
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プードル
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シーズー
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コッカー・スパニエル
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オールド・イングリッシュ・シープドッグ
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アイリッシュ・セッター など
また、メスの犬に多く見られるというデータもあります。
治療方法は?
治療の基本は、免疫システムの暴走を止めることです。
主な治療内容
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ステロイド剤の投与(免疫の働きを抑える)
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その他の免疫抑制剤の併用(症状によって)
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輸血(重度の貧血時に必要となることも)
輸血にはリスクもあるため、必ず獣医師と相談して進めましょう。
予防できる?早期発見がカギ!
残念ながら、明確な予防法はありません。
原因がはっきりしない場合も多く、完全に防ぐのは難しいのが現実です。
でも、飼い主さんがいち早く変化に気づき、すぐに病院へ連れて行くことが何より大切です。
放置すると…
症状が急速に進行することがあり、2~3週間で命に関わるケースも。
「いつもと違うかも?」と思ったら、迷わず受診しましょう。
まとめ|大切なのは“いつもと違う”に気づくこと
免疫介在性溶血性貧血は、愛犬にとってとてもつらい病気ですが、早期発見・早期治療で回復の可能性もあります。
飼い主さんが「様子がおかしいな?」と感じたときが、命を守る第一歩です。
ぜひ、日頃から愛犬の体調や行動のちょっとした変化にも目を配ってあげてくださいね
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