犬の口内炎は、口の中の粘膜や軟部組織に炎症が起こる病気です。軽症でも痛みや違和感があり、放置すると食欲不振や体重減少につながることもあります。今回は、犬の口内炎の原因や症状、治療法、そして予防策について詳しく解説します。
口内炎の主な症状
犬の口内炎には、以下のような症状が見られます。
- よだれが多い(ときには血が混じることも)
- 口臭が強くなる(なめた場所に臭いがつくことも)
- 口の中に赤い発疹や潰瘍ができる
- 食欲が低下し、体重が減る
- 口をクチャクチャさせるしぐさをする
- おもちゃや食器に血がつくことがある
- 発熱(全身疾患が原因の場合)
命に関わることは少ないですが、犬にとって大きなストレスになるため、早めの対処が大切です。
口内炎の原因はさまざま
犬の口内炎は、さまざまな要因によって引き起こされます。
歯や口腔内の問題
- 歯周病(細菌が増殖し、炎症を引き起こす)
- とがった異物による傷(骨やおもちゃの破片など)
- 電気コードをかじったことによる感電
感染症
- ウイルス感染(ジステンパーウイルス など)
- 細菌感染(レプトスピラ など)
- 真菌感染(カンジダ など)
全身性の病気
- 糖尿病や腎不全(免疫力低下により発症しやすい)
- クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
- 自己免疫疾患(天疱瘡、全身性紅斑性狼瘡 など)
これらの原因を特定することで、適切な治療を行うことができます。

治療法:症状と原因に応じたアプローチ
犬の口内炎の治療は、主に次のような方法で行われます。
内科的治療
- 抗生物質の投与(感染症が原因の場合)
- 抗炎症薬の使用(痛みや炎症を抑える)
- 免疫調整剤の投与(自己免疫疾患が関係している場合)
口腔ケア
- 歯周病の治療(歯石除去・抜歯)
- 口の中を清潔に保つケア(口腔洗浄液などの使用)
栄養サポート
- 柔らかい食事を与える(固いフードが痛みを悪化させるため)
- ラクトフェリンなどのサプリメント(口腔内の免疫力を高める)
予防法:毎日のケアでリスクを減らそう!
犬の口内炎を防ぐためには、以下のポイントを押さえましょう。
歯磨き習慣をつける
- 毎日の歯磨きを習慣にする(子犬のうちから慣れさせるのがベスト)
- 歯磨きが難しい場合はデンタルガムや口腔ケア用品を活用
定期的な健康診断
- 全身性の病気を早期発見するために、定期検診を受ける
- 口臭や口の異変に気づいたらすぐに獣医師に相談する
適切な食事管理
- 栄養バランスの取れた食事を与え、免疫力を保つ
- 固すぎる食べ物や危険なもの(骨など)を避ける

注意すべきサイン:こんな症状があればすぐ受診!
犬の口内炎の症状が見られるとき、以下のような状態があれば、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
- 口の中にしこりがある(悪性腫瘍の可能性)
- 出血が止まらない
- 食欲不振が続く
- 体重が大幅に減少している
特に、中高齢の犬は口腔内腫瘍(メラノーマ、扁平上皮がん、線維肉腫など)が発生するリスクが高いため、早めの受診が大切です。
まとめ
犬の口内炎は、軽症であっても放置すると痛みや食欲不振を引き起こし、生活の質を低下させます。適切な治療を行うことはもちろん、毎日の歯磨きや定期的な健康診断で予防することが大切です。
愛犬の健康を守るために、ぜひ今日から口腔ケアを始めてみましょう!
さらに参照してください:犬の口腔内悪性黒色腫(メラノーマ)とは?症状・治療・予防法を解説!