愛犬の体調がなんだか優れない…。そんなとき、もしかしたら**「糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)」**という病気が関係しているかもしれません。
腎臓に起こるこの病気は、初期はほとんど症状が出ないこともあり、気づいたときには進行していることも…。
この記事では、症状・原因・治療法・予防のポイントまで、やさしく丁寧に解説します🐶🩺
🧠 糸球体腎炎ってどんな病気?
「糸球体(しきゅうたい)」とは、腎臓で血液をろ過するフィルターのような役割を持つ部分のこと。
この糸球体が炎症を起こすことで、体の老廃物や余分な水分をうまく排出できなくなる病気が「糸球体腎炎」です。
📌 ポイント
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急性と慢性があり、症状の重さはさまざま
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他の病気が原因となって発症することも多い
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進行すると**腎不全(じんふぜん)**につながることも
⚠️ 見逃したくない主な症状
初期は無症状のこともありますが、進行すると次のような症状が見られます👇
🐾 よくある症状
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おしっこの量が増えたり、逆に減る
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むくみ(顔や手足など)
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食欲が落ちる、体重が減る
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元気がない、疲れやすい
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嘔吐、脱水症状
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お腹に水がたまる(腹水)
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タンパク尿(尿にタンパクが混じる)
🎯 タンパク尿が特徴的なサインですが、家庭で見つけるのは難しいため、動物病院での検査が必要です。
👁️🗨️ 進行するとどうなる?
症状が悪化すると、**高血圧や視力のトラブル(網膜剥離・眼底出血)**が起きることもあり、最悪の場合は失明することもあります。
さらに重症になると、**血栓ができて血管を詰まらせる「血栓塞栓症(けっせんそくせんしょう)」**という命に関わる合併症も…。
🐕 糸球体腎炎になりやすい犬種
いくつかの犬種では、遺伝的に発症リスクが高いといわれています。
🐶 発症が報告されている犬種
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ビーグル
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ゴールデン・レトリーバー
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スタンダード・プードル
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ロットワイラー
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ドーベルマン
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サモエド
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ブルテリア
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イングリッシュ・コッカー・スパニエル
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バーニーズ・マウンテン・ドッグ
✅ このような犬種を飼っている場合は、定期的な健康診断を心がけましょう。
🔍 原因は?関係する病気もチェック!
糸球体腎炎の直接の原因はまだはっきりしていませんが、体の免疫反応が過剰になることが関係していると考えられています。
🩺 関連していると考えられる病気
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フィラリア症(犬糸状虫症)
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ライム病
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子宮蓄膿症
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免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
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膵炎
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クッシング症候群(副腎の病気)
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リンパ腫や白血病などの腫瘍性疾患
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犬伝染性肝炎
🧪 こうした病気を抱えている犬では、腎臓にも注意が必要です。
💊 治療:原因治療と腎機能のサポート
糸球体腎炎の治療は、原因と考えられる病気の治療を行いながら、腎臓の働きを守る治療を並行して進めます。
治療で行うこと
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原因となる病気の治療(例:フィラリア駆除など)
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腎不全に対する支持療法(点滴や食事療法)
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高血圧・血栓症があればその対処も行う
📌 症状の進行具合によっては、長期的な管理が必要になることもあります。
🛡️ 予防法:できることから始めよう
糸球体腎炎には、これさえやれば完全に防げるという予防法はありません。
ですが、関連する病気を予防することでリスクを減らすことができます。
✅ 予防のためにできること
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フィラリア予防薬を毎月しっかり与える
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ノミ・マダニ予防で感染症を防ぐ
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適度な運動とストレスの少ない環境づくり
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高たんぱく食の与えすぎに注意
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定期的な健康診断・尿検査・血液検査
🔎 特にタンパク尿は見落とされやすいので、年1回の尿検査を習慣にすることがおすすめです!
🐾 まとめ:愛犬の健康は日々の気づきから
糸球体腎炎は、進行すると腎不全などの重大な症状を引き起こす可能性があります。
でも、早期に気づいて治療を始めれば、進行を抑えることも可能です。
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