年齢を重ねた愛犬が、なんとなく元気がなかったり、いつもと違う動きをしていたり…そんな変化に気づいたとき、飼い主さんがまず思い浮かべるのは「もしかして病気?」という不安かもしれません。今回は、**中高齢の犬に多く見られる「脳腫瘍」**について、症状や原因、治療法、そして飼い主さんができることをやさしく解説します。
🧠 脳腫瘍ってどんな病気?
脳腫瘍とは、脳の中に腫瘍(しゅよう:できもの)ができる病気です。
犬の脳腫瘍は、特に中年齢~高年齢のワンちゃんに多く見られます。
腫瘍ができる場所によって症状はさまざまで、「見た目には元気に見える」ケースも少なくありません。
⚠️ こんな症状が出たら要注意!
腫瘍の場所によっては、以下のような神経症状が現れることがあります:
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てんかんのような発作を起こす
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意識を失う、ぼーっとする
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歩き方がおかしい、ふらつく
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首が傾く(斜頸:しゃけい)
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同じ方向にぐるぐる回る(旋回運動)
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顔の片側が動かない(顔面麻痺)
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目が左右に揺れる(眼振:がんしん)
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性格が変わったり、攻撃的になる
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いつも眠ってばかりいる
🐶 「なんか最近おかしいな…」と思ったら、迷わず動物病院へ!
🔍 脳腫瘍の原因とは?
犬の脳腫瘍には、主に以下の2種類があります:
🧬 原発性脳腫瘍
脳の細胞そのものが腫瘍化したもの。
例:髄膜腫、グリオーマなど
🔁 続発性脳腫瘍
脳の外からがんが移ってくるタイプ。
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体の別の場所(乳腺・皮膚・リンパ節など)にできた悪性腫瘍が脳に転移する
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鼻や耳、頭蓋骨などの近くにできた腫瘍が**脳へ浸潤(しんじゅん)**してくる
🧪 特定の犬種でリスクが高まるとも言われていますが、詳しい原因はまだ完全には解明されていません。
🏥 脳腫瘍の治療法は?
脳腫瘍の治療にはいくつかの方法があり、腫瘍の種類・場所・進行度に応じて選ばれます。
💊 内科的治療(症状を和らげるための治療)
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抗炎症薬で脳の炎症やむくみ(浮腫:ふしゅ)を抑える
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てんかん発作をコントロールする薬を使う
🧪 化学療法
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腫瘍の増殖を抑えるための薬(抗がん剤など)
🔬 放射線療法
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特定の腫瘍には、放射線を使った治療が有効な場合もあります
🛠 外科的手術
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腫瘍を切除する方法。腫瘍の位置や大きさ、犬の状態によっては難しい場合もあります
💡 治療は「完治」を目指すというより、QOL(生活の質)を保つことが目的になることもあります。
🐾 予防と早期発見のポイント
残念ながら、脳腫瘍を完全に予防する方法はありません。
しかし、早期発見・早期治療が何よりも大切です!
✅ 飼い主さんにできること
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日頃から愛犬の様子をよく観察する
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少しでも「いつもと違う」と感じたら、すぐに動物病院へ
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定期的な健康診断(特に7歳以上のシニア犬は年2回がおすすめ)
📌 まとめ
犬の脳腫瘍は、進行すると命に関わる重大な病気です。
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