愛犬が高齢になると、ちょっとした変化に「もしかして…」と心配になることがありますよね。その中でも特に気になるのが「認知症(痴呆)」です。
この記事では、犬の認知症の症状や原因、治療・対処法、そして予防のポイントをわかりやすくご紹介します
犬の認知症ってどんな病気?
犬の認知症(正式には「認知障害症候群」)は、脳の老化によって起こる病気です。近年は犬の寿命が延びたことで、認知症になるワンちゃんも増えています。
脳の萎縮や、神経にダメージを与える物質の蓄積が関係していると考えられていますが、まだはっきりとした原因は分かっていません。
こんな症状が出たら要注意!
認知症の症状は、少しずつ進行していくのが特徴です。最初は「あれ?ちょっと変かな?」という程度でも、見逃さないことが大切です。
よく見られる症状
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ぼーっとしている時間が増える
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名前を呼んでも反応がない
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夜中に意味もなく吠える(夜鳴き)
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同じ場所をぐるぐる回る(旋回運動)
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徘徊して止まらない
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後ろに下がれない
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狭いところから出られない
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トイレの失敗が増える
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食欲はあるのに痩せていく
平均的には11歳ごろから症状が出やすくなりますが、早い子では7〜8歳ごろから始まることも。特に柴犬や日本犬の雑種は発症しやすい傾向があると言われています。
原因は老化?それとも遺伝?
認知症の主な原因は「老化」ですが、遺伝的な要素も関係している可能性があると考えられています。
具体的には、
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脳が委縮して働きが弱くなる
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有害な物質(アミロイドなど)が脳に溜まる
といった変化が、記憶や行動に影響を与えるのです。
どうやって治療するの?
残念ながら、認知症を完全に治す方法はまだありません。でも、進行を遅らせたり、症状を和らげたりすることはできます。
主な対処法
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高齢犬用のフードやサプリ
DHAやEPAなど、脳の健康をサポートする成分を含んだものを選びましょう。 -
必要に応じて薬を使う
行動を安定させるお薬が処方されることもあります。 -
環境を整える
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滑りにくい床
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安全に歩けるスペースの確保
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飼い主さんの声かけやスキンシップ
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エンドレスケージの活用
夜間にぐるぐる歩き回るタイプの子には、**円形のケージ(エンドレスケージ)**が効果的。安心して動き回れて、夜鳴きの軽減にもつながります。
予防できるの?日常でできること
完全に防ぐことは難しいですが、早期発見と早めの対応が何より大切です。
日頃から意識したいこと
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毎日の生活リズムを整える(規則正しい食事・睡眠・運動)
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たくさん話しかけて、愛犬とのコミュニケーションを大切にする
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定期的な健康診断を受ける
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遊びやトレーニングで脳に刺激を与える
ちょっとした変化を見逃さず、「いつもと違うな」と感じたら、早めに動物病院で相談することが大切です。
まとめ|愛犬の変化を優しく見守ろう
犬の認知症は、高齢になったワンちゃんにとって珍しくない病気です。でも、早めに気づいてあげれば、快適に暮らせる時間を延ばすことができます。
愛犬の小さなサインを見逃さず、温かくサポートしてあげましょう。困ったことがあれば、無理せず獣医さんに相談してくださいね
さらに参照してください:犬の膀胱結石とは?症状・原因・治療法・予防策までやさしく解説!