犬の進行性網膜萎縮（PRA）は、網膜が徐々に萎縮して視力が低下し、最終的に失明してしまう遺伝性の病気です。初期は暗い場所で目が見えにくくなり、やがて日中でも視力が低下してしまいます。この記事では、進行性網膜萎縮の原因や症状、治療法、愛犬の生活をサポートする方法について詳しく解説します。
進行性網膜萎縮の主な症状
進行性網膜萎縮は、初期の段階では外見上の変化がほとんどなく、飼い主が気づきにくい病気です。しかし、次のような症状が見られる場合は注意が必要です。
夜や暗い場所で目が見えづらくなる
- 夕暮れや夜間の散歩を嫌がる
- 物にぶつかる、つまずく
- 溝や段差を避けられない
明るい場所でも視力が低下する
- 昼間でも壁づたいに歩く
- 階段の上り下りがぎこちなくなる
- 動作が緩慢になり、不安そうな表情をする
白内障を併発することも
- 目が白く濁ってくる
- 視力低下がさらに進行する
視力の低下はゆっくり進行するため、犬は環境に適応しながら生活します。そのため、飼い主が気づくのが遅れることも多い病気です。
進行性網膜萎縮の原因
進行性網膜萎縮は 遺伝性の病気 です。網膜にある光を受け取る細胞に異常が起こり、徐々に機能を失ってしまいます。
発症しやすい犬種
進行性網膜萎縮は多くの犬種で報告されていますが、特に以下の犬種に多く見られます。
ラブラドール・レトリーバー
アイリッシュ・セッター
シェットランド・シープドッグ（シェルティ）
コリー
ミニチュア・プードル
遺伝子の異常によって発症するため、 親犬がPRAを持っている場合は子犬にも遺伝する可能性が高い です。
確かな治療法はない…でも生活の工夫でサポートできる！
残念ながら、 進行性網膜萎縮を完全に治す治療法はありません。しかし、犬は視覚以外の感覚（嗅覚や聴覚）が優れているため、生活環境を工夫することで快適に過ごせます。
愛犬のためにできる生活サポート
室内の環境を固定する
- 家具やトイレ、フードボウルの位置を変えない
- 障害物を減らして安全な動線を作る
散歩コースを工夫する
- 静かで安全な道を選ぶ
- 知らない場所よりも慣れたコースを歩く
- 突然の物音や人混みを避ける
階段や段差に注意
- スロープを設置する
- 滑りにくいマットを敷く
声をかけて安心させる
- 突然触らずに「〇〇ちゃん、ここだよ」と声をかける
- できるだけ近くにいて不安を減らす
愛犬の生活をサポートすることで、視力が低下しても安心して暮らせる環境を整えましょう！
進行性網膜萎縮の予防法は？
進行性網膜萎縮は 遺伝性の病気 のため、 確実な予防法はありません。しかし、次世代に病気を引き継がせないために 遺伝子検査を行い、発症リスクのある犬を繁殖させないこと が大切です。
遺伝子検査を活用しよう！
近年では、進行性網膜萎縮の遺伝子検査が可能になっています。 繁殖を考えている場合は、事前に遺伝子検査を受けることで、病気の発症リスクを減らすことができます。
また、進行性網膜萎縮の 早期発見のために定期的な健康診断を受けること も重要です。
まとめ
進行性網膜萎縮は 網膜の萎縮によって視力が徐々に低下する遺伝性の病気
初期症状は夜間や暗い場所での視力低下。進行すると昼間でも見えなくなる
治療法はないが、生活環境を整えることでストレスを軽減できる
遺伝子検査を行い、病気を次世代に引き継がないことが重要
愛犬が視力を失っても、適切なサポートをすれば 安心して快適に暮らすことができます。少しでも異変を感じたら、早めに動物病院を受診しましょう！
さらに参照してください：犬の白内障とは？症状・原因・治療法を徹底解説！
