犬の病気事典

「最近、うちの子なんだか元気がない…」「寒がりになった気がする」そんなふうに感じたことはありませんか？もしかすると、それは甲状腺機能低下症のサインかもしれません。 この病気は進行がゆっくりなため、年齢のせいと見過ごされがち。でも、適切な治療で元気を取り戻すことができるんです。今回はそんな「犬の甲状腺機能低下症」について、分かりやすくお伝えします。 🧠 甲状腺機能低下症ってどんな病気？ 甲状腺は、代謝（からだのエネルギー活動）をコントロールする大事なホルモンを作っています。この働きが弱くなってしまうと、体の機能全体がスローダウンしてしまいます。 つまり、甲状腺機能低下症とは👉 甲状腺ホルモンが足りなくなり、代謝が落ちてしまう病気なんです。 ⚠️ こんな症状が見られたら要注意！ 甲状腺ホルモンが減ると、体のさまざまな変化が見られます。 🐶 よく見られる症状 元気がなく、疲れやすくなる 太りやすくなる（食事量は変わらないのに体重が増える） 毛が薄くなる・抜ける 寒がりになる・震える 皮膚が黒ずむ、厚くなる フケが多くなる 心拍数が遅くなる 表情がさみしそうに見える 📌 特に高齢犬の場合、「年のせい」と思われやすい症状ばかりなので注意が必要です。 🧬 原因は？どうしてなるの？ 多くの場合は、免疫の異常が原因です。体の免疫が自分の甲状腺を攻撃してしまう「免疫介在性甲状腺炎」が最も多く見られます。 また、以下のような原因も関係しています。 🔍 主な原因 免疫の異常（リンパ球性甲状腺炎） 原因不明の甲状腺の萎縮（特発性） …

犬の甲状腺機能低下症とは？症状・原因・治療法をわかりやすく解説！ 続きを読む

犬が「たくさん水を飲む」「食欲はあるのにやせてきた」などの様子を見せたら、それは**クッシング症候群（副腎皮質機能亢進症）**のサインかもしれません。この病気は進行がゆっくりな分、見逃されやすいですが、早期発見で犬の生活の質を守ることができます。 この記事では、クッシング症候群の症状・原因・治療法・予防のヒントまで、飼い主さんに寄り添ってやさしく解説します。 🐶 クッシング症候群ってどんな病気？ クッシング症候群（副腎皮質機能亢進症）は、副腎（ふくじん）から分泌される「コルチゾール」というホルモンが必要以上に作られてしまう病気です。 コルチゾールは、ストレスや代謝に関わる大切なホルモンですが、過剰に分泌されると体にさまざまな不調が出てしまいます。 ⚠️ よく見られる症状は？ 以下のような変化があれば、要注意です。 💡 代表的な症状 水をたくさん飲む（多飲） おしっこの量が増える（多尿） 食欲旺盛なのにやせていく お腹がぽっこり膨らむ 毛が薄くなる・左右対称に抜ける 元気がなくなる、疲れやすい 皮膚が薄くなり、脂っぽくなる 眠ってばかりになる 🐾 進行すると… 免疫力が低下して、皮膚炎や膀胱炎などの感染症にかかりやすくなることも。糖尿病を併発するケースもあり、放置すれば命に関わるリスクも出てきます。 🐕 発症しやすい犬種と年齢は？ クッシング症候群は6歳以上の中高齢犬に多く見られますが、まれに1歳未満の若い犬にも発症することがあります。 特に注意したい犬種は： ミニチュア・ダックスフンド トイ・プードル ポメラニアン ボストン・テリア …

犬のクッシング症候群とは？症状・原因・治療法までわかりやすく解説！ 続きを読む

ノミが原因で、愛犬がかゆがったり皮膚をかきむしっていませんか？それ、もしかしたらノミアレルギー性皮膚炎かもしれません。この記事では、そんな皮膚トラブルの症状から原因、治療、予防までを分かりやすく解説します。🐶✨ 🔍 ノミアレルギー性皮膚炎ってどんな病気？ ノミアレルギー性皮膚炎とは、ノミの唾液などに対してアレルギー反応を起こし、皮膚に強いかゆみや炎症が出る皮膚病です。 近年では暖房が効いた室内環境が増えたことにより、冬でもノミが活動するようになり、季節に関係なく注意が必要になっています。 ⚠️ 主な症状と注意すべきサイン 以下のような症状が見られたら、ノミアレルギー性皮膚炎の可能性があります： しきりに体をかく、かむ、なめる 特に腰からしっぽの付け根付近に赤い発疹やじんましん 毛が抜ける、皮膚が赤くただれる 夜も眠れないほどの強いかゆみ かきすぎによって皮膚が厚くなったり、色素沈着が起こることも 📌 命に関わることは少ないですが、放っておくと慢性化してしまうことがあります。 🦠 原因は「ノミの唾液」へのアレルギー ノミアレルギー性皮膚炎は、犬の体に寄生したノミが吸血時に注入する唾液成分に対して、体が過剰に反応してしまうことが原因です。 こんな子は特に要注意！ アトピー体質の犬 食物アレルギーがある犬 過去にノミアレルギーを発症したことがある犬 一度アレルギーを起こした犬は、再びノミに刺されるたびに症状が出やすくなります。 🩺 治療法：かゆみを抑えて、ノミをしっかり駆除！ 治療のポイントは2つ！ ✅ 1. 皮膚の炎症やかゆみを抑える 抗ヒスタミン剤やステロイドなどで炎症をコントロール …

犬のノミアレルギー性皮膚炎とは？🐾かゆみの原因・治療・予防をやさしく解説！ 続きを読む

犬の皮膚に赤みやブツブツができて「なんだかかゆそう…」と感じたことはありませんか？それ、もしかしたら「膿皮症（のうひしょう）」かもしれません。 この記事では、愛犬の健康を守るために知っておきたい「膿皮症」の原因や症状、治療法、そして予防のポイントまで、獣医学に基づいて分かりやすくご紹介します🐾 🦠膿皮症ってどんな病気？ 膿皮症は、皮膚に細菌（主にブドウ球菌）が感染することで起こる皮膚のトラブルです。「化膿性皮膚炎」とも呼ばれ、皮膚に炎症や膿がたまることが特徴です。 感染の深さによって症状や重さが変わり、浅いものから深いものまでさまざまなタイプがあります。 ⚠️こんな症状に注意！ 膿皮症になると、次のような症状が見られることがあります： 赤くなった皮膚（発赤） 脱毛・毛が抜ける 小さなブツブツ（発疹） 膿がたまった水ぶくれ（膿疱） かさぶた かゆみ、皮膚をかく仕草 📍特に、顔、脇の下、股、指の間などは発症しやすい部位です。また、感染が深くなると腫れや痛み、発熱を伴うこともあります。 🐾膿皮症の種類ってあるの？ 膿皮症にはいくつかのタイプがあります： 🔹浅在性膿皮症（子犬に多い） 皮膚のごく表面に細菌が感染します。ブツブツや脱毛が主な症状です。 🔹表在性膿皮症（夏場に多い） 皮膚の表面近くに炎症が広がり、かゆみや膿疱が現れます。 🔹皺壁性膿皮症（短頭種に多い） パグやフレンチブルなど、シワの多い犬種に多く、皮膚のシワに菌が繁殖して炎症を起こします。 🔹深在性膿皮症（ジャーマン・シェパードに多い） 皮膚の深い層まで感染が進行し、腫れや痛みを伴います。 🧬膿皮症の原因は？ 膿皮症の主な原因は、ブドウ球菌などの細菌が皮膚に感染することですが、そこにはいくつかの要因が関わっています。 🟡主な発症要因 傷口（擦り傷、噛み傷）からの感染 不衛生な環境 加齢による免疫低下 …

犬の膿皮症とは？かゆみ・脱毛の原因と対策をやさしく解説！ 続きを読む

「最近、うちの子の皮膚がベタついて、フケも増えてきたかも…」そんなお悩み、ありませんか？ 今回は、**犬の続発性脂漏症（しほうしょう）**について、専門的な知識をもとに分かりやすく解説します。脂漏症は直接命に関わることは少ないものの、皮膚の健康や生活の質に大きく影響する病気です。正しい知識とケアで、わんちゃんの不快を取り除いてあげましょう✨ 🧩 続発性脂漏症とは？原発性との違いもチェック！ 犬の脂漏症には2種類あります。 原発性脂漏症：遺伝によって起こる皮膚のトラブル。特定の犬種に多く見られます。 続発性脂漏症：他の病気が原因で、後から起こるタイプ。今回はこの「続発性」についてご紹介します。 💡続発性脂漏症は、皮膚の代謝が異常に早くなり、フケや皮脂が過剰に分泌されるのが特徴です。 ⚠️ 主な症状は？うちの子にも当てはまるかも！ 続発性脂漏症の症状は、わんちゃんによって異なりますが、以下のようなサインが見られます： 🧴 皮膚がベタつく（油性） ❄️ 乾燥してフケが大量に出る（乾性） 🐾 体臭がきつくなる 🐶 抜け毛が増える 🔴 発疹や赤みが出ることも 皮脂の状態が変わることで、わんちゃん自身もかゆみや不快感を感じやすくなります。見た目や臭いの変化にも注目してみてください。 🔍 続発性脂漏症の原因はコレ！ この病気は、単独で起こるわけではありません。他のトラブルが背景にあることがほとんどです。 主な原因には： 🌾 アレルギー（食物・環境） 🦟 寄生虫（ノミ・ダニなど） …

犬の続発性脂漏症とは？原因・症状・対処法をわかりやすく解説！ 続きを読む

愛犬の皮膚にフケが増えたり、かゆそうにしていたら、「もしかして皮膚の病気？」と不安になりますよね。今回は、そんなときに知っておきたい【ツメダニ症】について、分かりやすくお伝えします。 🐕 ツメダニ症ってどんな病気？ ツメダニ症は、「イヌツメダニ」というとても小さな寄生虫が犬の皮膚にすみつくことで起こる皮膚の病気です。特に子犬や体の弱い犬に多く見られ、放っておくと広がることもあるので注意が必要です。 しかも…⚠️ ヒトにもうつることがあるので（ただし一時的）、飼い主さんも気をつけたいですね。 🔍 主な症状は？こんな変化に気づいたら要注意！ ツメダニ症になると、以下のような症状が出ることがあります。 背中に大量のフケ（かさぶたのような白いカス） 赤いポツポツした発疹 毛が抜ける、ツヤがなくなる 軽いかゆみ（強くはないことが多いです） 📌 ポイント成犬ではあまり症状が出ないこともありますが、子犬や寄生数が多い場合ははっきりと現れます。 🦠 ツメダニの感染経路とは？ 🐾 原因：イヌツメダニの寄生 この病気の原因は、体長約0.5mmという超小型のイヌツメダニ。肉眼ではなかなか見えません。 以下のような状況で感染します： 感染している犬・猫と直接接触した ブラシやリードなど道具を介して感染 ノミやハエなど他の寄生虫が運んでくる 🌍 日本全国どこにでもいると考えられており、外に出る子は特に注意が必要です。 🛁 治療法は？家でできることはあるの？ ツメダニ症の治療は、ダニを駆除することが中心です。 🩺 …

犬のツメダニ症とは？症状・原因・治療法をやさしく解説🐾 続きを読む

愛犬の皮膚がベタついたり、フケが増えたりしていませんか？それは「続発性脂漏症（しぼうしょう）」という皮膚のトラブルかもしれません。放っておくと不快感が増すだけでなく、他の病気を悪化させる可能性もあります。 今回は、獣医師の立場から、犬の続発性脂漏症について症状・原因・治療・予防法をわかりやすく解説します🐶✨ 🧴 続発性脂漏症ってどんな病気？ 脂漏症（しぼうしょう）は、皮膚のターンオーバー（新陳代謝）が異常に早くなり、フケや皮脂が過剰に出る皮膚病です。 🔄 続発性と原発性の違いは？ 脂漏症には2種類あります： 原発性脂漏症：遺伝が関係しており、特定の犬種に多く見られる 続発性脂漏症：他の病気や環境が原因であとから起こる この記事では「続発性脂漏症」にフォーカスしてご紹介します。 ⚠️ 見逃さないで！主な症状 続発性脂漏症には、大きく分けて2タイプの症状があります。 🛢️ 油性タイプ（オイリー） 皮膚がベタベタする 強い体臭がする 被毛が脂っぽくなる   🌾 乾性タイプ（ドライ） フケが大量に出る 皮膚がカサカサしてかゆそう 毛がパサつき、ツヤがなくなる 👉 さらに、脱毛や赤い発疹が出ることもあり、他の皮膚病と併発している可能性もあります。 🧬 原因は？どこからくるの？ 続発性脂漏症は、皮膚の表面で異常な角化（皮膚の生まれ変わり）が起こることで発症します。 …

犬の続発性脂漏症とは？症状・原因・予防法までわかりやすく解説！ 続きを読む

犬の皮膚に赤みやフケがたくさん出ていて、「なんだかいつもより毛づやも悪い…」と感じたことはありませんか？それ、もしかしたらツメダニ症かもしれません。この記事では、ツメダニ症の原因から症状、治療法、そして予防のポイントまで、飼い主さんにも分かりやすく解説します🐶✨ 🔍 ツメダニ症ってどんな病気？ ツメダニ症とは、イヌツメダニという小さな寄生虫が犬の皮膚に寄生することで起こる皮膚の病気です。 ツメダニは体長わずか0.5mmほどの微小な虫で、肉眼では見つけにくいほど小さく、背中にかさぶたのようなフケが大量に出るのが特徴です。 人間にも一時的に感染することがありますが、重症化することはほとんどありません。   🐕 よくある症状とは？ 特に子犬や、ダニがたくさん寄生してしまった犬でよく見られる症状は以下の通りです👇 🐾 背中を中心にフケが大量に出る 🐾 毛が抜ける・毛づやが悪くなる 🐾 皮膚に赤みや発疹（ブツブツ）が見られる 🐾 軽いかゆみ ⚠️ なお、成犬ではほとんど症状が出ないこともあるので、「見た目は元気そうでも皮膚だけ異常がある」場合は注意が必要です。 🐛 ツメダニはどうやって感染するの？ 感染ルートはさまざま。代表的なものはこちらです： 感染している犬・猫との直接接触 汚れたブラシやリードなどの間接的な接触 ノミ・シラミ・ハエなどの他の寄生虫を通しての感染 ツメダニは日本全国に分布しているため、どの地域でも発生の可能性がある点も忘れてはいけません。 💊 治療方法は？ ツメダニ症は適切な治療をすれば、比較的早く改善が見込めます✨ …

犬のツメダニ症とは？フケ・かゆみの原因と予防・治療法をやさしく解説！ 続きを読む

🐶「最近、うちの子がしきりに耳をかいたり、頭を振ったりするんです…」そんな様子を見て、不安になったことはありませんか？ もしかすると、それは【耳ダニ感染症】かもしれません。この記事では、犬の耳に寄生する耳ダニによって引き起こされる「耳ダニ感染症（耳疥癬）」について、症状や原因、治療・予防法をわかりやすく解説します。 🦠 耳ダニ感染症とは？ 耳ダニ感染症（正式名称：ミミヒゼンダニ感染症）は、犬の耳に小さなダニが寄生することで起こる病気です。この耳ダニは、耳の中で繁殖してかゆみや炎症を引き起こし、犬にとって大きなストレスとなります。 ✅ 原因：ミミヒゼンダニ（0.3～0.4mmほどの小さなダニ） ✅ 寄生場所：耳道内（耳の中）、重症の場合は耳周辺や首まで広がることも ✅ 感染経路：感染した犬や猫との接触によることが多い   ⚠️ こんな症状が出たら注意！ 耳ダニに感染すると、次のような症状が見られます。 🔍 主な症状 耳をしきりにかく 頭をブンブン振る 黒っぽいワックス状の耳垢がたまる 耳のまわりにひっかき傷 外耳炎の悪化や、耳血腫（耳に血がたまる）を起こすことも 👀特に耳の中を覗いて黒い耳垢が多く見られる場合は、耳ダニを疑ってください。 💡さらに目のまわり、ひじ、かかとなどにかゆみが出ている場合は、「疥癬」といった別の皮膚病の可能性もあります。自己判断せず、早めに動物病院を受診しましょう。 🧫 原因は耳ダニの寄生 耳ダニ（ミミヒゼンダニ）は、肉眼では見えないほど小さな寄生虫です。犬の耳の中で、耳垢や体液などを食べながら生きており、次のようなサイクルでどんどん増えていきます。 🔄 耳ダニの増殖サイクル 耳の中に侵入 …

犬の耳ダニ感染症とは？症状・治療・予防法をやさしく解説！ 続きを読む

狂犬病（きょうけんびょう）という言葉、聞いたことはありますか？「昔の病気でしょ？」と思われがちですが、実は今でも世界中で多くの命を奪っている、非常に危険なウイルス性の病気です。特に犬にとっては命に関わる恐ろしい感染症であり、人にも感染する「人獣共通感染症（ズーノーシス）」として知られています。 この記事では、犬の飼い主さんが絶対に知っておくべき「狂犬病」の基礎知識を、やさしく丁寧に解説します🐶症状や原因、そして何より大切な予防法まで、しっかりご紹介します。 ⚠️ 狂犬病ってどんな病気？ 狂犬病は、狂犬病ウイルスが原因で発症する感染症です。犬だけでなく、猫やキツネ、アライグマ、そして人間にも感染します。 💀 一度発症すると、ほぼ助からない病気 狂犬病が怖い最大の理由は、**発症後の致死率がほぼ100％という点です。現代医学でも治療法はなく、命を守るには「感染しないこと＝予防」**が何より重要です。 🧠 狂犬病の主な症状は？ 犬の狂犬病は、以下の3つの段階に分けて進行します： 🔹 第1段階：前駆期（ぜんくき） 発熱 食欲不振 落ち着きがなくなる 隠れたがる、飼い主を避ける 普段と違う行動（おとなしかった犬が攻撃的になる、など） この時期は、まだはっきりとした狂犬病とはわかりにくいのが特徴です。 🔹 第2段階：狂躁期（きょうそうき） 異常に興奮しやすくなる なんでもかみつく（人・動物・物） 無意味に吠える 異物を食べようとする（小石・枝・糞など） 顔つきが凶暴に変化 この状態が数日続き、やがて次の段階へ進行します。 🔹 第3段階：麻痺期（まひき） 歩き方がおかしくなる（運動失調） …

犬の狂犬病とは？症状・原因・予防法までわかりやすく解説！ 続きを読む