「Q熱(キューねつ)」という言葉、あまり耳慣れないかもしれません。でも実は、犬にも人にも感染する可能性がある「人獣共通感染症(ズーノーシス)」のひとつなんです。
今回は、犬のQ熱について、症状や感染経路、治療・予防法まで、やさしく丁寧に解説します。🐶
「うちの子も大丈夫?」と気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。
🧫 Q熱ってどんな病気?
Q熱は、**コクシエラ・バーネッティ(Coxiella burnetii)**という細菌が原因で起こる感染症です。
この細菌はとてもタフで、環境中でも長く生き残る性質があります。感染源は犬だけではなく、猫・牛・羊・鳥類など多くの動物が対象。また人にも感染するため、人獣共通感染症として知られています。
⚠️ 犬のQ熱の症状とは?
🐾 多くの犬は「無症状」
犬がQ熱にかかっても、ほとんどの場合は無症状です(専門的には「不顕性感染」といいます)。そのため、飼い主さんが気づかないまま、知らず知らずのうちに感染していることも。
ただし、ごくまれに以下のような症状が見られることがあります。
📋 稀に見られる症状
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発熱(軽度)
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メス犬の流産・死産
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不妊傾向
※命にかかわるようなケースは少ないですが、繁殖犬を飼っている方や、妊娠中のメス犬がいる家庭では注意が必要です。
🦠 感染経路は?どうやってうつるの?
Q熱の感染ルートは、ちょっと意外なところにも潜んでいます。
🚫 主な感染経路
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感染動物の排泄物(尿・糞便・胎盤など)をなめる
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空気中に漂う菌を吸い込む(エアロゾル感染)
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マダニに咬まれる
とくに、動物の出産に立ち会った後などは、胎盤や羊水に含まれる細菌に注意が必要です。
また、日本国内でも犬の抗体保有率が1〜2割程度あるとされており、決して珍しい病気ではないことがわかっています。
💊 治療法:抗生物質での対応
もし犬がQ熱に感染していることが判明した場合は、抗生剤の投与による治療を行います。
💉 主な治療薬
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テトラサイクリン系抗生剤
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ニューキノロン系抗生剤
いずれも3〜4週間にわたって継続的に投与するのが一般的です。
症状が軽いため治療を見逃されやすいですが、獣医師の指示に従い、しっかり治療することが大切です。
🛡️ 予防法:マダニ対策と衛生管理がカギ!
Q熱にはワクチンや特別な予防薬はありません。だからこそ、感染源に近づかない工夫が必要になります。
✅ 予防のポイント
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🪳 マダニの駆除・予防を徹底する
→ 散歩やアウトドアに行くときは、マダニ対策の首輪やスポット薬を活用しましょう。 -
🏞 動物の出産時期の山や牧場には近づかない
→ 胎盤や羊水には菌が潜んでいる可能性があります。 -
🧼 糞尿の処理はすぐに行い、飼育環境を清潔に保つ
→ 排泄物の放置は周囲への感染リスクを高めます。 -
🩺 流産・死産があった場合はすぐに動物病院へ相談する
→ 他の感染症との見分けも重要です。
📌 まとめ:Q熱は油断せず、日々の予防で守ろう!
Q熱は犬にとって命の危険は少ない病気ですが、人間にも感染する可能性があるため油断は禁物です。特にメス犬の妊娠・出産を考えている方は、Q熱の知識を持っておくことがとても重要です。
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